映画レビュー(94)「パルス」(2006年)

アメリカ映画だが日本映画「回路」(2001年黒沢清監督)のリメイク。どうりで既視感あった。2006年の作品だが、あの当時のJ-ホラーの味わいが濃い。清水崇監督の「呪怨」が2000年、これも2004年にはハリウッドでリメイクされている。
インターネットとWEBの世界が、まだ不安とともに語られた時代である。その不安がホラーに影響与えたのであろう。ビデオの普及後に生まれた貞子(原作「リング」1991年)みたいなもんだなあ。インターネットが民間に移管されたのが1995年。それからまだ10年の映画なのだ。
物語の構図はまさにテンプレ。インターネットを経由して死者の霊が人を死へ誘いだす話で、その意味では、安心して観ていられる(苦笑)
作品自体は凡庸だが、当時の人々が抱くインターネット観がわかる、貴重な資料ではある。

「パルス」


この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?