映画レビュー(90)「セル」


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 スティーブン・キングの2006年の作品の映画化。2016年の米国映画。監督はトッド・ウィリアムス。
 ストーリーは、突然、何の前触れもなく携帯電話から発せられた謎の信号により、人々の大半が心を持たない凶暴な人間に変わってしまった世界で、ニューイングランドのコミック作家が、幼い息子と再会するために生死をかけたサバイバルをする物語。ゾンビものの変形である。今作ではゾンビではなくフォナーと呼ばれる。
 暗澹たる物語で、ラストもダーク。
 キング原作でも凡庸な作品にはなるという典型。

残念な作品

 別れた妻と息子に対する思いも、「再会」という旅を続ける動機付けとしての意味しかなく、深みがない。人を狂わす「パルス」に対して、何らかの暗喩があるわけでもなさそう。携帯電話と人間の関係に対するアイロニーとしても浅すぎる感もった。

 キングでもこんな作品はあるのだなあ。
セル



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