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O脚のフリースタイラーは、足ぺらになりやすいか ~小指側が落ちる足ぺら

フリースタイルフットボールをやっている人のための記事です。

愛知県の刈谷一心接骨院に、足ぺらの研究をしている上野行男という方がいらっしゃいます。上野先生は調査の結果、
「O脚の方が足ぺらになりやすい」
というデータを得たとのことでした。
今回は、そのデータを元にO脚が足ぺらになりやすい理由を考えてみます。

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・O脚とは

左が一般的な足の形  右がO脚

O脚は、ガニ股と言われることもあります。「足を揃えて立った時に、ヒザとヒザの間に指が2本以上入る程の隙間があること」というのがその定義です。
O脚になる条件には、もともとの骨格の他、重心の問題などでヒザが外を向いているケースが多いです。

・O脚でのキックはどうなるか

赤い線は、足の甲の面の傾きを示している

O脚の人は、膝が普通よりも外にあります。正面でタッチしようとすると、足先を内側に入れるので、下腿が傾きますね。

足の甲は、もともと親指側のほうが高く、小指側が低くなっています。
O脚の場合は、下腿が傾くために、普通以上に小指側が低くなります。

・足の甲で水平面を作るのは難しい

フリースタイルでは、足の甲でボールをタッチするのですが、その際には甲で水平面を作ってボールを当てます。水平にするには小指側を引き上げなくてはなりません。

外側を上げる筋肉は弱い

小指側を引き上げる筋肉は、長趾伸筋という足の指を反らす筋肉と、第三腓骨筋という筋肉だけ。どちらも弱く、すぐに疲れる筋肉です。前回の記事に書いたように、足ぺらの原因は、酷使しすぎた筋肉が十分に収縮することができなくなることだと考えられます。

今回のテーマであるO脚の人は、そうでない人よりも長趾伸筋と第三腓骨筋を使わなくてはなりません。もともと弱い筋肉を酷使することによって、早く足ぺらになると考えられます。

なお、O脚でないフリースタイラーでも、足の小指側が落ちるタイプの足ぺらになっている人は、同じ原因の可能性が高いです。

・O脚の人が足ぺらを防ぐには

実質的な対策は2つ。
①足の甲を水平にするのを諦めること
はっきり言って、人間の足の甲は長時間水平を保つようにできていません。O脚の人はなおさらです。

母趾側が高いままでプレイすると、足の負担は格段に少なくなります。
ただ、足の甲という「面」ではなく、母趾の中足骨という「線」でキックする形になるので、安定度には欠けます。

ただ、水平を保持する操作が要らない分だけ、足の操作は楽になります。精度は必要ですが、動きは楽というトレードオフの関係なので、練習次第で補うことは可能だと考えます。

②身体の外側に足を向ける「外返し」の状態でプレイすること

外返し。足先が外に向く

この状態では水平面が簡単に作れますが、足先が外に向きます。
正面で蹴るには身体が横を向く半身の状態にならなくてはならず、左右の足を使う技は、かなり難しくなるでしょう。

個人的には①のほうが根本的な対策だと考えます。
繰り返しますが、足の甲で水平を保つのは人体の構造上、無理があります。
もし小指側が落ちると感じるようなら、水平面を作るのをやめるのは一つの方法です。

・ターンインによるO脚対策

O脚そのものによる不利は、股関節の内旋可動域を広げることで、ある程度対応できます。

バレエでは、股関節から足を外側に回すターンアウトという技法を多用しますが、その逆。股関節から足を内側に回すターンインができれば、足を正面に持ってきやすくなります。

具体的な練習方法は、大腿骨の大転子という部分を手で触れながら、内側に回す操作を練習します。練習によってある程度可動域を増やせば、足を使いやすくなるものと考えます。

八起堂治療院ホームページ


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