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ショートショートの広場

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僕が書いたショートショートを集めました。ショートショートは毎月15日と25日に投稿します。投稿したショートショートを追加していきます。
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記事一覧

ショートショート 天使の翼

*はじめに このショートショートはフィクションです。 * 僕は仕事帰りのいつもの道を いつ…

白水
13日前
25

ショートショート 明日、世界は終わるらしい

*はじめに このショートショートは全て フィクションです。 どこか地球に似た、ある星のお話…

白水
3週間前
7

ショートショート ツナグ

*はじめに このショートショートはフィクションです。 * 考えたことが、あるでしょうか。 …

白水
1か月前
17

掌編小説 アリの孤独

地べたを這うアリがいった。 「わたしは孤独です。」 僕にはアリの孤独の意味が わからない…

白水
1か月前
7

ショートショート 2時間先

*はじめに このショートショートは全てフィクションです。 * ひさしぶりに夢を見た。 目が…

白水
1か月前
8

ショートショート 山の中で

*はじめに このショートショートは全てフィクション です。 * 会社の会議があり、僕は仕方…

白水
2か月前
4

ショートショート 老人の森

*はじめに この物語は全てフィクションです。 * 森の奥に 老人がひとりで住んでいた。 いつからかは、わからない。 小さな畑を耕したり、 森の中の枯れ木を集めて 薪にしたり、 陽の当たる日には 揺れる椅子に座って、 小鳥たちのさえずりを 聞きながら、 森の木洩れ陽を 眺めていた。 そんな老人のところに いつからか 一人の少年が訪ねてくる ようになった。 彼はいつも お昼過ぎになると、 日向ぼっこをしている 老人の椅子の横に座り 一緒に森をながめていた。 何も

掌編小説 人生のスイッチ

人生のスイッチ。 それは生きながら、 このセカイから消えるスイッチ。 いつもはオンしてる…

白水
2か月前
8

ショートショート 陽ざしと青空

僕は家で、机に向かってたんだ。 ただ机に向かい、座ってたんだ。 今日は朝から雨が降ってい…

白水
3か月前
5

ショートショート 1万分の100

*はじめに この物語は全てフィクションです。 * 不老ではない、不死でもない。 人の歴史が…

白水
3か月前
2

ショートショート 天使のつぶやき

*はじめに この物語はフィクションです。 * 天使が、 僕の耳元で つぶやいた。 * 今日…

白水
4か月前
7

ショートショート 悪魔のつぶやき

*はじめに この物語は全てフィクションです。 * どこかの星の、 どこかにいる悪魔が、 星の…

白水
4か月前
10

ショートショート 消したい記憶

人は記憶を自由にできない。 覚えることも、さりながら、 消すことが、ままならない。 僕はこ…

白水
5か月前
5

ショートショート 人は皆、煙になる。

私は高速道路を急ぎ走らせる。 朝起きると、LINEに母が危篤の知らせ が入った。以前から心臓が悪く、 次に発作が起きたら危ないと、医者には いわれていた。 母は病院の個室のベッドに横たわり、 苦しそうな顔で息をしていた。 腕に取り付けられた機械の数値は高い値 から変わらず、ランプはつきっぱなしだ。 でも、私も、私を呼んだ弟も何もできない。 ただ見ているだけだ。 ベッドの傍に、二つの椅子を並べて、 押し黙って苦しそうな母の呼吸だけを 見つめていた。 * 朝のLINE