ショートショート 人は皆、煙になる。
私は高速道路を急ぎ走らせる。
朝起きると、LINEに母が危篤の知らせ
が入った。以前から心臓が悪く、
次に発作が起きたら危ないと、医者には
いわれていた。
母は病院の個室のベッドに横たわり、
苦しそうな顔で息をしていた。
腕に取り付けられた機械の数値は高い値
から変わらず、ランプはつきっぱなしだ。
でも、私も、私を呼んだ弟も何もできない。
ただ見ているだけだ。
ベッドの傍に、二つの椅子を並べて、
押し黙って苦しそうな母の呼吸だけを
見つめていた。
*
朝のLINE