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俳句 初秋


俳句を作りました。
今回は三句です。散文詩を添えました。

俳句

緑野を 青で覆うや 秋の天

雲湧きて 垂れる稲穂や 青々と 

翅交わし 時を刻むや 蜻蛉とんぼかな

盆を過ぎたというのに、
まだまだ暑い。
散歩するなら朝早くがいい。
小さめの水筒をカバンに入れて、
キャップを被り短パンTシャツ。
朝早く出掛けようとしたけれど、
やることを片したら9時を回る。
外に出ると厳しい陽射し。
少しキャップが守ってくれる。
青い空とわた菓子のような雲。
夏らしさを感じさせる。
気分良く歩いていくと、
稔りを迎えた稲穂たちに会う。
まだ少し金色こんじきには早いけど、
近づく秋を教えてくれる。
川沿いの散歩道には草の穂が、
僕の背丈程も伸びている。
風に揺れる葉が僕の肩に手を伸ばす。
左右から葉に背中を押され道を歩く。
歩き疲れてベンチに座り、
水筒の水を飲む。
冷たい水が舌にひろがる。
少しだけ足を延ばし神社にお参り。
鳥居への階段を昇っていると、
ハグロトンボがはねをヒラつかせ、
僕の周りを飛び回る。
翅を交差させて飛ぶ様は
映写機のフィルムをゆっくりと
回してるようで、
少しだけ時が遅くなったよう。
僕を迎えてくれたハグロトンボは、
僕の帰りも見送ってくれた。
近くの川では灯篭流しをするという。
夏はもう終わろうとしていた。


時候は以下の通りです。
・初秋(しょしゅう)
 秋の初めで、立秋を過ぎた新暦の
 八月にあたる。まだ暑さは続くものの、
 日差しや雲の色、風の音や身辺起居に
 どことなく秋を感じるようになる。
季語は以下の通りです。
・秋の空、秋の天
・稲穂
・蜻蛉(とんぼ)

角川文庫 俳句歳時記 秋


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