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つくばのカハクで標本三昧

先週末に国立科学博物館科博の「筑波実験植物園」へ行ってきました。「ミニ企画 牧野富太郎」展を観るのが目的だったのですが、その時に園内の様子を見て回りました。それら植物系のレポートは、下記noteをごらんください……なのですが、その他にも面白い建物を見つけてしまったんです(わたしが単に知らなかっただけ…なのですけどね)。

発見したのは、自然史標本棟の見学スペースです。この筑波の科博の敷地内に、植物系に限らず、科博の研究施設や収蔵庫が存在していることは知っていました。ただ、見学スペースがあることを知らなかったんです。

とても狭いところなので、これを目当てに来るという方はマレだと思いますので、どんなものが見られるのかを詳細にnoteしていきたいと思います。

■筑波実験植物園内にある、自然史標本棟の見学スペース

植物園内の林の中を散策しながら、あぁそういえばショクダイオオコンニャク(燭台大蒟蒻)の芽が出てきたって言っていたなぁと思って、熱帯雨林温室へ向かっていました。そうして林を抜けると、目の前に現れた建物が……自然史標本棟でした。そこから誰かが出てくるのを見て……え? ここって入れるの? って入口に近寄ってみると、入れそうな雰囲気なので、入ってみました。

自然史標本棟の見学スペース

入った場所が、自然史標本棟の見学スペース。へぇ〜……なんて言いながら、少し興奮しました。上野にある科博の本館では、天井から吊り下げられているような巨大な骨格標本が、ガラス越しとはいえ、すぐ目の前で見られたからです。

ぐわぁ〜っと迫るように展示……というか、収蔵されている様子が窓から観られます。観せようという感じではなく、汚いところですけど観てもいいですよ……みたいな雰囲気がソソります。

正面左は鯨目セミクジラ科のセミクジラで、天井の右側にあるのが鯨目ナガスクジラ科ツノシマクジラです。なんでそんなこと分かるのか? って言うと、ちゃんと展示内容が……手作り感満載のファイルが置いてあるからです。

いちおう展示内容が分かるようになっています

それほど広い場所ではないのですが、色んな角度から見ると、色んな標本が観られます。例えば、上の写真と同じ場所でも少し視線を変えてみると、下のような感じになります。手前にあるテーブルにも、たくさんの骨格標本が置いてあるんです。

少し部屋の奥へ移動してみると、下のような感じです。さきほどの鯨目ナガスクジラ科ツノシマクジラが横方向から見られ、鯨目ネズミイルカ科のネズミイルカや鯨目マイルカ科のユメゴンドウなどもよく見えます。

さらに奥のスペースを見てみると、下のような感じです。これも鯨ですかね? 

そのほか、手前のテーブルの上に置いてあるのは、以下のとおり。

カメ科のシナガメ
タカ目タカ科のトビ……ですかね? 下がズームしたもの
タカ目タカ科のトビ?
スズメ目ヒタキ科のツグミですかね?
フクロモモンガ

上の写真の、下にいるのがフクロモモンガで、木の上にいるのがリスザル。そして、リスザルの頭骨を中心にズームしたのが下の写真です。

フクロモモンガ
ケナガネズミ

上は、徳之島で採集されたケナガネズミ。絶滅危惧種です。下の写真のようなタグがちらりと見えるのが、好きな人には萌えポイントなんじゃないかと思います。

比較的に手前にあるものだけを撮ってきましたが、前述したリストには63種類が載っていました。霊長目ヒト科のヒトや、同じく霊長目ヒト科のチンパンジーをはじめ、イヌやオセロット、ハクビシン、ラッコから、オオサンショウウオ、イリエワニ、ユキヒョウ、マルミミゾウ……キョンやイノシシ、ツキノワグマ、エミューやツチブタ、キリンにオカピ、ラクダやカバなども置いてあるようです(研究や貸出のために、行った時によって異なるようです)。

見学スペース内には、気になる解説パネルもありました。

上野の国立科学博物館には常時10,000点以上の標本資料が展示されているそうです。もちろんそれは、同館が収蔵している標本資料の、ごくごく一部。

この筑波地区には5つの収蔵庫があり、なんと440万点以上も保管されているそうです。そして、以前noteで書いたとおり、その標本資料は日々増え続けていて、2011年3月に完成した自然史標本棟は、2017年3月現在で8割以上のスペースが埋まってしまっているそうです。ってことは、5年経った今は、もう収納スペースがないんじゃないですかね?

そして、次なる収蔵庫の計画がスタートしている……と記されていたのですが、そこでは「博物館のコレクションの必要性と重要性を共有出来るように、これまでよりも見える魅せる収蔵庫をつくりたいと考えています」というではありませんか。

うわぁ〜、次の収蔵庫ができるのが楽しみだなぁ〜、なんて思いながら自然史標本棟の見学スペースを後にしたのですが……

外に出て、温室に向かって歩き出した途端に……自然史標本棟の隣に、なにやら巨大な建築物を建てていました。看板を見てみると「収蔵庫を作っております」の文字が! ええええ! 計画しているというか、もう建てはじめているのか! これが魅せる収蔵庫なのかもしれません。

どのくらい魅せる収蔵庫になるのか分かりませんが、完成が楽しみ!

いちおう温室でみたショクダイオオコンニャク(燭台大蒟蒻)の芽も載せておきます。あと、いつだったかの植物系の特物展で展示されていたモミジバフウの巨木の根っこも……。

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