かわかわ

noteは、自分への教養の種まき。主に東京国立博物館(トーハク)を散歩しています。

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日本最大級の東京国立博物館の見どころ【1月23日現在】

東京国立博物館(トーハク)は、収蔵品数が約12万件、そのうち国宝が89件で重要文化財が649件(2023年4月現在)という、日本最大級の博物館です。そんなトーハクは、毎週、平常展の展示替えがあり、いつ行っても新鮮な気持ちで見て回れる……逆に言うと「トーハクには、これが展示されているから見に行く」というのが難しいです。 ということで、ここでは「トーハクへ行ったら、今日はこれが見られる」という、過去noteで記した見どころを、(できるだけ毎週)更新していきたいと思います。 な

    • 江戸時代に殿様が描いて作った虫の図譜……蟲を愛した増山雪斎さんの《蟲豸帖(ちゅうちじょう)》

      もともと図鑑など、なにかのコレクションっぽいものが好きなうえに、それを江戸時代の殿様が作ったものということで、以前から増山雪斎さんの《虫豸帖(ちゅうちじょう)》は、見てみたいなぁ……いつ見られるかなぁ……と思っていました。それが今季、東京国立博物館(トーハク)で展示されていると聞いて、さっそく見に行ってきました。現在は《虫豸帖(ちゅうちじょう)》の春と冬の帖が、それぞれ2ページ分づつ展示されています。 ちなみにColBaseによれば「『虫』(ちゅう)とは小型生物のうち足のあ

      • トーハクで、今年新たに指定される国宝と重要文化財の、お披露目会が開催中です。

        先日……『トーハクの4月の常設展の充実っぷりが半端ないです!』というnoteで、その豪華なラインナップを記しました。ただし……4月の東京国立博物館(トーハク)の充実っぷりは、そんなものでは終わっていませんでした。 3月15日に、文化庁から「令和6年(2024)に新たに国宝・重要文化財に指定される美術工芸品等」が発表されましたが、そのほとんどが、今週から東京国立博物館(トーハク)でお披露目されています。特別企画「令和6年 新指定 国宝・重要文化財」の会期は、4月23日(火)~

        • 長野へ行って満開の桜を見てきました! ……天宗寺の合掌桜や、そのへんの草花など

          旅行を予定していると、そこにピッタリとピークを合わせるように仕事の依頼が舞い込んで来る……というのは自営業あるあるなのかもしれません。前回の1月に行った日光も、宿で1人で仕事していましたが、今回の長野でも、行ったは良いものの満喫するまでには至りませんでした。 長野は、妻の親戚……わたしからすると義理の叔父の生家があり、ここ10年くらいは、多い時には毎月、少なくとも2〜3カ月に一度は訪ねていた場所です。ただ、最後に行ったのは半年以上前。今回は久しぶりに行くということで、楽しみ

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        • 江戸時代に殿様が描いて作った虫の図譜……蟲を愛した増山雪斎さんの《蟲豸帖(ちゅうちじょう)》

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          浜離宮恩賜庭園の桜と草

          家族の中に、どうしても舟に乗りたいというメンバーがいたので、今日は隅田川クルーズへ。わたしは、言うても「そんなに……です」ということで、「花見もできるかもしれないから、浜離宮行で良いのでは?」ということで、浜離宮に興味のないメンバーとの譲歩で、浜離宮の次の駅の、日の出桟橋行に載ることにしました。 乗ったのは、東京都観光汽船が運行する浅草発の「道灌(どうかん)丸」です。家族全員(と言っても3人)で乗ったのは、1年ぶりくらい。実は、新コロ禍に……だからこそ何度か乗っていました。

          浜離宮恩賜庭園の桜と草

          ごめんなさい曾我蕭白さん。トーハクの蝦蟇鉄拐図……すごかったです

          先日、『トーハクの4月の常設展の充実っぷりが半端ないです!』というnoteを記しました。それから隙さえあれば見に行こうと思っていたのですが、やっと先ほど(金夜)、東京国立博物館(トーハク)へ行って、展示替えされた作品のいくつかを見てきました。 思ったとおりに素晴らしい作品があったのですが……意外だったのが、曾我蕭白さんの《蝦墓鉄拐龱屏風(がまてっかいずびょうぶ)》です。先日のnoteでは「個人的には《蝦蟇鉄拐図屏風》は、それほど……(楽しみにしていない)」と記してしまったの

          ごめんなさい曾我蕭白さん。トーハクの蝦蟇鉄拐図……すごかったです

          考古学(特に縄文・弥生・古墳時代)を知りたければ、国学院大学博物館へ迷わず行くべし!(01)

          なんだか、ものすごいタイトルをつけたなと思っていますが、この大学には思い入れがあるので、許していただきたいです。 先日、国学院大学の博物館へ行ってきました。卒業してから行くのは今回が2回目。前回は、4〜5年前だったか、博物館のある建物へ行ったものの、仕事で行ったため、博物館へは寄りませんでした……というか、同じ建物に博物館があることすら気が付きませんでした。改めて行ってみると「前回、なんで気が付かなかったんだろ?」と思うほどに、博物館の入口は分かりやすいです。 ちなみに、

          考古学(特に縄文・弥生・古墳時代)を知りたければ、国学院大学博物館へ迷わず行くべし!(01)

          東京国立博物館は、展示室も敷地内も春らんまん

          東京国立博物館(トーハク)では4月7日まで、たしか全館を横断した毎年恒例の「博物館でお花見を」という特集のようなイベントのようなものが開催されていました。いつもよりも桜が描かれた作品が多く展示されていたんです。 そこで、これまで目を向けることの少なかった、器などを見て「へぇ〜、こんなにきれいな器があるんだなぁ」と思ったものを、少しnoteしておきます。 ■春っぽい茶器や鉢 仁阿弥道八さんによる《色絵桜樹図透鉢(いろえおうじゅずすかしばち)》です。たしかトーハクの博物館ニ

          東京国立博物館は、展示室も敷地内も春らんまん

          トーハクの4月の常設展の充実っぷりが半端ないです!

          東京国立博物館(トーハク)は、今週からというか今日から、本館2階の多くが展示替えとなっています。まずは来週から始まる特別展「法然と極楽浄土」に関連する書画が展示されます。また、東洋館4階8室では中国の15〜16世紀以降の「花鳥」をテーマとした展示品が集められていますが、それと呼応するように、本館8室の「書画の展開」の部屋にも、日本の16世紀から江戸時代までの花鳥&動物や虫などの作品が、集まります。 それではどんなものが見られるのか、チェックしていきます。 ■久隅守景・円山

          トーハクの4月の常設展の充実っぷりが半端ないです!

          トーハク東洋館でググッと来た、中国の花鳥画(02)

          前回の続きで、東洋館4階の8室「中国の絵画」の部屋で見てきた作品をnoteしておきます。現在、同室は「花鳥の美」という、16世紀以降の中国近世で描かれた作品が集まっています。 最もググッときたのは、前回noteに記した、王岡さんの《四季花鳥図巻》という花鳥図でした。今回は、その王岡さん以外の、「これは!」と思った作品たちです。 ■展示概要 テーマ:花鳥の美 場所:東洋館8室「中国の絵画」の部屋 期間:2024年3月19日(火) ~ 2024年4月21日(日) この部屋

          トーハク東洋館でググッと来た、中国の花鳥画(02)

          トーハク東洋館でググッと来た、中国の花鳥画(01)

          週末の東京国立博物館は、ほかの上野公園エリアと比べれば空いていたとはいえ、ヤバいくらいに混んでいました。どれくらい混んでいたかと言えば、現在開催されている特別展「中尊寺金色堂」が90分待ちになるほどです。まぁ人気展であれば、もっと待つよという人もいるでしょうけれど……。 そんな時にでも比較的に空いている、日本以外の東アジアの展示品が充実している東洋館を巡ってきました。特にじっくりと見てきたのが、東洋館4階の8室「中国の絵画」の部屋です。現在は「花鳥の美」というテーマで、15

          トーハク東洋館でググッと来た、中国の花鳥画(01)

          こんな作品も!? 『大吉原展』で見られた浮世絵の大画面作品が圧巻でした

          東京藝術大学の大学美術館で、『大吉原展』がはじまりましたね。わたしは報道向けの内覧会で見に行ったのですが、とても良かったです。なにが良かったかと言えば、今まで見たことのなかった、浮世絵の絵師たちによる、屏風などの大きな作品が見られたことです。 例えば歌川豊春《新吉原春景図屏風》個人蔵、伝 古山師重《吉原風俗図屏風》奈良県立美術館蔵、喜多川歌麿《吉原の花》ワズワース・アテネウム美術館蔵、歌川豊春《新吉原玉屋の張見世図屏風》大英博物館蔵などです。 やっぱり美術において、大きい

          こんな作品も!? 『大吉原展』で見られた浮世絵の大画面作品が圧巻でした

          国宝ホヤホヤの《和漢朗詠集》を皇居三の丸尚蔵館で堪能してきました

          先日、3月15日に、「文化審議会の答申(国宝・重要文化財(美術工芸品)の指定等及び登録有形文化財(美術工芸品)の登録)」という、文化庁の報道発表がありました。↑ 全部読もうとすると頭がパンクするほど、難しい日本語ですが、要は「今度、国宝や重要文化財になる(と、ほぼ決定した)作品リスト」ということです。 その中にある「解説(5MB)」というPDFを開くと、次に国宝などに指定される品々が写真付きで解説されています。それをなんとなく眺めていたら、今年もまた皇居三の丸尚蔵館の所蔵品

          国宝ホヤホヤの《和漢朗詠集》を皇居三の丸尚蔵館で堪能してきました

          浮世絵の祖・菱川師宣の“工房”で描かれた上野の花見

          先週は子供がインフルエンザに罹ったことから始まり、グアムへの出張をはさんで、週末には千葉県・館山を旅行するという……なかなかに気ぜわしい一週間となりました。その館山を、年に1度くらい訪れているのですが……行く途中には、江戸時代の絵師で《見返り美人》でよく知られる、菱川師宣(ひしかわ もろのぶ)さんの生地があります。 途中で立ち寄った道の駅で、菱川師宣記念館のパンフレットを見ながら……先日、東京国立博物館(トーハク)で観た《浮世人物図巻 上巻》について考えてみました。※まぎら

          浮世絵の祖・菱川師宣の“工房”で描かれた上野の花見

          『大吉原展』内覧会での、田中優子先生による挨拶全文

          東京藝術大学美術館にて『大吉原展』が、明日、2024年3月26日(火)から2024年5月19日(日)の日程で開催されます。それに先立つ本日3月25日(月)に、報道陣向けの内覧会がありました。 その内覧会にて、本展の学術顧問である法政大学名誉教授の田中優子先生から挨拶がありました。その挨拶の内容をわたしが要約することも可能ですし、本展を紹介する記事を、どこかで掲載する際には要約するはずです。ただし、要約する際には、どうしても本展に対するわたしの考え方が影響せざるを得ないと思い

          『大吉原展』内覧会での、田中優子先生による挨拶全文

          様々な手法で描かれた吉原の美人と桜……@東京国立博物館

          近所に、2つの幹線道路と高速道路の出口がグワッと交わる交差点に架かる、立派だけれどあまり利用されていない歩道橋があるんです。わたしが使うのは、年に1度だけ。今週みたいにハクモクレンが満開の時季だけです。 その歩道橋のそばに植えてあるハクモクレンが、一斉に咲いているのを、真横から見られるんです。週末は、息子とサッカーをするために公園へ行くときに、「あの交差点の歩道橋に、ちょっとだけ寄らせて」と言って、一緒に見てきました。その空間だけ、真っ白……ではなくて、少し黄色みがかった空

          様々な手法で描かれた吉原の美人と桜……@東京国立博物館