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【詩】フロイトへ


                    こんな夢をみたんです じつは
私のようで私でないひとがきのう妻のようでつまでないひととわかれてきたようなんです きのうのようできのうでないひの海はおだやかでふたりはほんとうのようになかよくむつみあいはだかのまんまでまるで愛みたいなせっぷんをしてほらこのさくらがいはきみのかくれたところのいろだとわたしがいかにもわたしらしいいやらしいことをいうとおんなはあたかもつまみたいにひるまっからよしなさいよといってわらったのかおこったのかはっきりしないかおをしてしだいにうすいあいいろのよあけのやまのはのようになってみえなくなっていったんです

灯台まではまちがいなくあさせだったんでわたしのようなあたしは妻のようではないおんなをさがしに岬のうらてにまわったんですが はて それからは いつのまにかうみには三日月がゆらゆらゆれて しだいにしおがみちてあたしのみぞおちくらいまでしずんで はて それからは 浜でりんげつのおんなが はて それからは その女がつまなのかおんななのかははなのかあたしなのかは ははははは はて はてしなくわからないままなのです

私のようでわたしでないあたしはきょうもどこかの夕暮れでしゃぼん玉を吹いています


フロイトはもちろん深層心理のあのジークムント・フロイト。ぼくが彼の著作で完読したのは自伝一冊。あとは気ままにつまみ食いならぬ、つまみ読み。ぼくにとっては詩学の側面もあります。ぼくの中のバカボンのパパが、それでいいのだ、っていうもんで。^_^;


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