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お金の話から子どもを遠ざけておくことは、果たしてよいことだろうか?

ぼくは、サラリーマンの父、専業主婦の母、そして姉の一般的な4人家族家庭で育った。父は、中小企業のサラリーマンであったが、高度成長期の幸運にも恵まれ、経営幹部のポジションを得て年収数千万は稼いでいたとおもう。

「とおもう」と書いたのは、典型的な日本的家族であった我が家では、両親が自らの収入や家計全般について子供とシェアすることは皆無だったからです。

それでも、両親から「お金のことで心配することはないから医大でもなんでも行ってよい」と言われたり、一軒家を2回も購入したり、ぼくも姉も高校~大学と私立に通わせてもらっていたので、かなり裕福なんだなということは肌感覚として認識していた。

とはいえ、欲しいものを何でも買ってもらえるということは決してなく、高校までは相場に合わせたお小遣い制、足りなければバイトで稼いで買いなさい、というスタンスで育てられた。

このような家庭環境に育ったおかげなのかよくわからないが、いまのぼくは無事?に自立し、家庭を持ち、給料の範囲内で不自由なく暮らすことができている。

自分が経済的自立を果たしたいま思うのは、「もっと自宅の財政状況について情報をシェアしてもらいたかった」し、そこに紐づくお金や仕事にまつわる経済の仕組みや、価値観について両親と会話しておきたかったということだ。

さて、今度はぼくが、娘に「お金」の使い方や、経済の仕組みについて教えるタイミングが到来している。

まだ小学低学年だが、お金を使うシーンでは、できるだけ「価値交換」をしているということを伝えたり、なにかを手入れたら、なにかを手放さくてはいけないという「トレードオフ」という考えを習得できるような問いかけを都度している。

お金自体は素晴らし仕組みだし、そこに関連するビジネス、世の中の仕組みほどエキサイティングなものはないと思っているので、できる限り娘にはぼくは自分が親にしてほしかったお金の話をしていこうと思う。

とはいえ、僕自身も娘の成長レベルに合わせて、どういう伝え方をすればよいのか?正直手探りの状態だ。いろいろと情報収集し、自分のなかでも文字化して整理をしている。

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たとえば、↑こういう経済の本質は学校や友達は決して教えてくれない。近くに、こういう実経済に参加して、実感している大人でないと伝えなれないことだとおもっている。

それからこの下記記事で取り上げられていた教育事例は、行動と視覚を伴う非常に効果的だなあと参考にしたい。(日本語訳ページが消滅してしまったので、原文ですみません)

6人の子どもたちにお金の価値を知ってほしいと思ったスコット・パーカーは自分の月給を1ドル札で積み上げ、子どもたちの眼の前でこれが何に使われているのか仕分けを始めた。税金分、住宅ローン分サッカースクール代やボーイスカウト代、外食、、、、、すると、最後にはいくらも残らなかった。

「ふと思ったんです。自分は大人になるまでお金のことを詳しく知らなかったし、それが大きなハンデになったと。家族を養うのに、いったいどれくらいお金がかかるのか、全然知らなかったんですから」
子どもにとって、お金は「謎の存在」だ。子どもたちは、お金が持つ力をうすうす感じているからこそ、幼い頃から何度もお金のことを訊いてくる。どうして、うちはいとこの家より狭いの? 安月給の先生をどうして尊敬しなくちゃいけないの? 僕たちは貧乏なの? 恵んでくれと言っている人にどうしてお金をあげないの?
お金の話から子どもを遠ざけておくことは、子どもがこれから背負うだろう金銭的な責任のことを考えると、意味がない行為ではないだろうか。
ヴァージニア州在住の専業主婦、トリシャー・ジョーンズは、6歳と8歳の子ども人を私立学校に通わせている。彼女は毎月ネットで授業料を払う際に、必ず子どもを隣に座らせて、決済ボタンをクリックさせているそうだ。「あなたたちを学校に通わせるために一日に92ドル50セント(約1万1000円)かかっているのよ、と冗談めかして言ったりします」と彼女は言い、一日あたりの学費が大きなレゴ・セットとほぼ同じ金額であることは子どもたちも知っていると続ける。「今の学校に通えるのは恵まれていることだし、そのために何かを犠牲にしてい ることを、子どもたちにわかってほしいのです」
アダムズの子どもたちは、何をする代わりに何を削るかを決める話し合いにも参加するようになっている。外食を諦めれば、そのぶんディズニーランド旅行の資金が貯まる、という具合に。しかも、夕食後は支出の誘惑が多い書店をぶらつく代わりに図書館に行こうという提案まで、子どもから出てくるようになった。
事実をきちんと伝えなければ、子どもは自分勝手な結論をでっちあげてしまいます」と言うのは、バーモント大学経済学部の准教授、サラ・ソルニックだ。家計が苦しいという事実と、それに親がどう対処しているかを正直に話せば、子どもも、むやみに恐怖感を抱かなくなる。

電子マネーが主流の時代、だれもが小銭や紙幣を物理的に感じることなくお金と付き合っていくことになるため、なおさら「お金」の存在や仕組みを口頭で伝えていく必要があるのではないかと感じる今日このごろである。

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