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「ヤダ!」と言ってみる練習~同年齢の友だち同士で性教育のワークショップ


子どもたちに、性教育を!っていうとなんだかお堅く聞こえますが、親の願いはただひとつ。自分のカラダを大事にし、愛する人と幸せになってほしい。

欧米では、3歳くらいから義務教育の間ずっと、包括的な「性教育」が行われていると聞きます。日本だと小学4年の終わり頃、第一次性徴や受精に関するお勉強、助産師さんの話を聴く授業が行われたりします。

広い意味での「性教育」とは、いのちの誕生からスタートし、自分という人はどんな人か、どんな風に生きたら幸せか、そして相手の人格も尊重し、一緒に育んでいけること、と考えられます。いわゆる性の話、というのはほんの一部。まずは、女の子も男の子も、自分のカラダをよく知って、守るべき時は守って、というのが第一歩。

では家庭では、どんな話を…?同じ年ごろの子を持つママ同士、会えばよくそんな話をするようになったこの頃。ひとりのママが、「これやってみよう!」と性教育ワークショップを展開するアクロストンさんを教えてくれました。

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白い紙にひとの輪郭をかいて、上から紙を重ね、カラダを隠します。
こどもたちに、好きなように顔や洋服を描いてもらいます。まずはこれを使って寸劇・・

お友達に会って、「あそぼう」と誘ったり、手をつなごうとしても、相手が「イヤだ」と言ったら?反対に、仲良しの相手でも、いま自分がしたくないと思ったら「イヤだ」と言っていいよ。「イヤ」というのは「嫌い」ではなく理由があって・・そんなことを、紙のお人形を使って、ロールプレイをしながら練習します。

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今回の集まりでは、小学生が多かったので通学途中の不審者対応、というのも練習しました。
怪しい人が後ろからずっとついてくる、というパターン。
いきなり腕をつかまれたり、体を触られるパターン。
親しい間柄をよそおって声をかけ、車に乗せようとするパターン。
他にも、いろいろなパターンを思いつくけれど、やはり声を出す、というのが第一。それも、大きな声で。「ヤダ!」「助けて!」「キャ~~~~‼」
最初は小さかった子どもたちの声が、練習とともに絶叫(笑)のような大声に。

だけどこれって、避難訓練と一緒で、やったことないとできない。現に、私は学生の頃、いま思うと性被害に違いないことに遭い、びっくりして何も言えなかった。怖い、キモイ、やめて、言おうとしても喉から声がでない。
特に、大勢の他人のいる状況で大声を出すって、とっても勇気がいる。

大人になって経験をシェアすると、大なり小なりみんな様々な「性被害」に遭遇したことがある、と分かったけど、子どもだった自分には「大人がそんな悪いことするなんて」という意識があり、自分を被害者にしたくない気持ちもあって、なかったことにしていた。

なので、子どもたちには声を大にして言いたい。「世の中、ヘンタイはいっぱいいるよ!」って。田舎に住んでいても、家の近くでも、もっというと、身近な人の間でも(性犯罪は顔見知りによる犯行がもっとも多い)、変だな、と思ったらすぐ声をあげていいよ、って。

今回だけで終わりにせず、ことあるごとに、「もしこんな事があったら?」と想定を投げかけて、反応をみることも続けていったらいいと思う。だんだん知恵もついてきて、「叫ぶ」「防犯ブザーを鳴らす」以外の対処法もでてくるかもしれません。

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