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バズらなくて仕事がこなくても習作を作ることに意味はある!

作品を作ってアップせよ、の謳い文句が当たり前になったのはいつからでしょうか。私も3Dができるようになりたくて毎日Cinema4Dをとりあえず開く自己流Everydayを続けています(制作スピードは毎日ではないです)。ボタンを押しまくるだけの日やクオリティが最低な作品をアップして後になって後悔することもあります。バズったこともなければ仕事もきません。クオリティが大したことないことは自分がいちばんよくわかっています。しかし習作=作品の評価、クリエイターとしての自分の評価と考えるのは短絡的です。バズやフォロワー、仕事がくることだけを目的にやる必要は全くありませんダメな作品でも完成させ、公開することには意味があります。最近私のEverydayもゆっくり気味なので、自戒の意味も込めて記録を残します。

独学はスキル

誰に何を言われなくても勝手にやって上達できる人は手間がかかりません。最終アウトプットのクオリティ以外に、成長の自家発電、独学できることはそれ自体がスキルです。「今日なにか新しいことを学んだ」を継続的に続ければ目標地点を到達、通過することは不可避です。独学は分野の関係ないグローバルなスキルです

もともと絵コンテや脚本担当で入社したはずの広告代理店では教育の概念が全くありませんでした。Cinema 4D未経験で入社し、何のトレーニングもなしに入社2ヶ月でフル3D作品で作れと言われました。明白に理不尽です。世の中は理不尽に溢れています。海外なんかに住んでいると余計に日常茶飯事です。今でこそ誰よりも英語が喋れる自信がありますが、渡米したての頃、誰かが手取り足取り英語だけを教えるために時間を割いてくれたでしょうか?トラブルのたびに助けてくれる人がいたでしょうか?そうでなくても自分で何とかするしかありません。学んだことは、結局、自分の身を守れるのは自分しかいないということです。置かれた環境で生き残るには、それがどんな状況であれ、自分で勝手に成長するしかありません。独学できるスキルはそれだけ強いです。

究極にコスパの良いヒマつぶし

人間は生きているだけでカネがかかります。ヒマ人は人一倍カネがかかります。こちらのブログが的確に明記してくれているので引用させて頂きました。

 貧困の中に沈んでいく人間たちの行動様式として定番なのが、「突然湯水の如く金を使う」というものだ。使い道になるものは実のところそう多くない、酒、バクチ、キャバクラやホストクラブ…最近はここにソシャゲ課金が加わるのかもしれないけれど、せいぜいがそんなものだ。そして、彼らの生活に類型的なのは「それしか楽しいことがない」ということだ

私の青春時代は孤独で、他人とのインタラクションが少なくヒマでヒマで仕方ありませんでした。しかし中高生なんて楽しいことをするための大したカネがあるわけもありません。当時、所謂ホムペが流行の真っ只中。どうにかお金をかけずにヒマを凌ぐため、来る日も来る日もペイントとテキストエディタを使って今でいうところのWebデザインをしていました。そして当時のヒマつぶしは私のデザインの基礎を築いてくれました。

習作は究極にコスパが良いヒマつぶしです。Adobeのサブスクは月22ドル(3000円ぐらい)、3DではBlenderは無料、Cinema4Dは月60ドル(7200円ぐらい?)、無限にチュートリアルのあがっているYouTubeは無料で閲覧できます。外に遊びにいかなくたって、たったこれだけで永久に遊べるんです。さらにスキルが蓄積されていきます

自己肯定感と自信

ヒトが他人の評価によって得られる自己肯定感はほんの一瞬だけのものだということは心理学的に証明されている事実です。つまり人に評価されることで習作の意義を保とうとするシステムそのものが破綻しているということです。自己肯定感と自信を最も高め、継続的に保つ方法は自分と向き合い、成長を評価することです。

「12 Rules for Life: An Antidote to Chaos(和訳なし)」で心理学者ジョーダン・ピーターソンは混沌とした世界で秩序を持って幸せで意義のある人生を送るアドバイスとして12個のルールを紹介しています。ルール4は「自分を他人ではなく、昨日の自分と比較しなさい」です。自分より頑張っている人やできる人は必ず存在します。他人と比較することは自分を傷つけることにしかなりません。

毎日の小さな進歩をしっかり見つめること、目標を立て、達成することで得られる喜びは計り知れません。習作は自分のためだけにやったとしても相当な効果を発揮します。

おまけ やっていればうまくなる

乱暴な話ですが、好き嫌いやセンス、才能などは関係なく長くやっていれば自動的にうまくならざるを得ません。これは、文系脳にも関わらず理系に進んで修士号を2つをとり、20年間いた日本から出てアメリカ現地企業で働くところまでたどり着き、正規の美術教育を受けずにデザイン業界で食っている私の経験則です。大事なのは続けること、そして続けるためには毎日自分を褒めまくること、成果以外の意義を見出すことです。習作を作ることを通して人間的な成長や発見、楽しいことがたくさんあります。もっと肩の力を抜いて自由な心を持つことが作り続けられる秘訣かもしれません。

いつも読んで頂きありがとうございます!頂いたサポートは「ごほうびコーヒー」を買いにいったカフェで虚空をみつめながら新しいアイディアを模索するのに使わせて頂きます。