時の止まった料亭

2月18日
眠気がなかなかとれず、ダラダラと布団の中にいたが、n度寝からのそのそ起床しバイトへ向かった。

今日は料亭でのサービスバイト。
ここに来るのも5回はゆうに越している。そろそろ着物を自分で着れるようにならなきゃいけないのかもしれない。まぁ、現状何一つメリットがないのでやる気になる日は遠いだろう。

休憩時間は、従業員用の賄いが提供され、皆で卓を囲んで食べるのだが、ふと隣のパートの奥様が私の方をじっと見て
「え!それ持ち方どうなってるの?!」
と手元を指差した。
そう、私は箸の使い方がおかしいのだ。ペンの持ち方のクセが治らなかったため、こちらにも響いている。正しい持ち方を知らないわけではないし、何ならその持ち方もできるのだが、いかんせんグリップ感が心許ない。あと麺類食べづらいし。
「お嫁に行くとき、お義母さんにいびられるよ……」
と注意されたが、仮にいくら旦那のことを好きでも、そんな義母のいるとこなら嫁がないとは思う。ストレスの根源は即刻絶つ。それが私の生き様だ。

ここの料亭は、パートの方ばかりだからか、ステレオタイプの会話ばかりである。
やれあの俳優がなんだ、やれ政治がどうだ……
私は『週刊 女性自身』の朗読をされているのか?
もっとハッピーでファニーな話をしてほしいものである。最悪、『100万あったら何する?』とかでいいから。
そんなことを、自分からは何も言わず祈っていた。一生叶わん。

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