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カタカナが苦手で

 日本語を母語とする者として「便利だなあ」と思うのは“外来語をカタカナで表記する”という決りごとだ。なんでも漢字になっちゃう中国語よりもビビッドに区別できているのではないか。コカ・コーラを「可口可乐」(4文字目は「楽」)と“翻訳”した中国語のセンスは素晴らしいと思うのだけれど。

 カミさんはどうもカタカナが苦手なようで、何回も間違えているのに覚えられない単語がある。例えば沖縄のお菓子「サーターアンダギー」がダメ。いつも愚息どもに呆れられながら指摘されている。

 かく言う私も、初見で間違って読み取ってしまうと、もうその思い込みから脱することができない。

 高校生の頃に話題になった小説「優しいサヨクのための嬉遊曲」について、ずーっと「サクヨ」だと思い込んでいた。人名と認識したのか。全共闘の記憶も新たな80年代初頭の小説なのでしっかり読了していれば誤読をやらかす訳もないのだろうが、難しい小説を知ったかぶりしていたのがモロバレである。当時の友人たちも指摘してくれりゃよかったのに。

 近年では読み書きの障害「ディスレクシア」について、つい最近まで「ディスクレシア」だと思い込んみ、疑いもしていなかった。取材先のご令嬢がこの障害を持ってるとの話になったもので、この言い間違えは「穴があったら入りたい」気分であった。

 ほとんどのカタカナは外来語がオリジナルなだけに、読み間違えをしても気がつかないままになる。それだけに「しっかり丁寧に読まないと間違えることが多い」と意識してかかっていかないと痛い目にあうのである。
(22/4/27)

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