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検査をはしごする

 体調に違和感があった同僚が検査を受けたところ、新型コロナの陽性と判明した。

 「あらら、大変だなあ。お大事にしてほしいな。業務はしっかりフォローしよう」などと他人事のように思っていたら、会社から「お前は濃厚接触者に該当するから、PCR検査で陰性が出ない限りは出社停止」「検査はクリニックや医療機関で受けること」との連絡。まったく意識していなかったが、そういえば彼が不調を訴える前日の昼食は一緒だった。ビックリした。

 連絡を受けたのは箱根から自宅へ戻る電車の中だった。「会社サマがそういうなら、おっしゃるとおりに自宅で待機させてもらおうではないか」と都合よく考えないのが日本のサラリーマン。15時すぎに自宅に到着するなり、東京都の無料PCR事業をやっている自宅近くの施設をパソコンで真剣に検索した。しかし、薬局や「検査場」的なものはあるが、「クリニック・医院」は少ない。たまにあっても受付時間を過ぎている。即日検査、即日判明のクリニックは2万円とかするところもあり、トタ出社の義理のためにそこまで自腹を切るつもりにはならない。

 捜索範囲を少し広げてみたら隣接区のクリニックに電話がつながった。「きょうはもう・・・」という受付さんに「そうですかあ、なるはやがありがたいんですけど・・・」と粘ってみたら、「では17時にお越しください」としてくれた。感謝。

 慌てて自転車に飛び乗り、クリニックでは東京都所定の紙に記載して検査である。実際の作業は医師が細長い綿棒を鼻の穴に10秒程度突っ込むだけだが、綿棒はかなり奥まで侵入してくるのが不快だった。わずか10分程度でクリニックを辞去。もちろん無料で、結果は翌日の11時以降に紙を取りにいかねばならないという。

 翌日は自動的に「自宅待機」=テレワークである。箱根で有給を取ったこともあって雑用が溜まっているほか、オンラインミーティングも2件。連休用に会社パソコンを持ち出していて業務環境にあったのは幸いだった。

 正午ころにまた自転車を飛ばしてクリニックへ。すぐに紙が渡されて、「陰性」。滞在時間はわずか3分だった。もちろん無料。ホッとひと安心だが、それ以上に陽性になった同僚がたいそう喜んでいた。

 先週は、居住区から風しんの抗体検査と予防接種のご案内もきていた。コロナに罹患したのと別の女性の同僚は“妊活”中だし、自分にも20代の息子がいるということは、おじいちゃんになる日もそんなに遠くないかもしれない。そう考えて血液検査を受けていた。

 会社には行かなかったし新型コロナは陰性だったので、結果を聞きに別クリニックへ。こちらも「抗体は十分にあるので、接種の必要なし」。

 今週末は新型コロナの4回目の接種を予約している。60歳未満であるが血糖値が高いので接種券を取り寄せた。

 ことほどさように、今週は医療機関ばっかり回っている感覚だ。これからの人生、さらにそんな日々になるのかな、と気づいて、ちょっと憂鬱になった。
(22/7/13)

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