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「お金がない」という呪文

以前、いつも「お金がない」と口にする人とよく一緒にいました。

その時期、私とその人は訳あってよく一緒に作業する間柄だったのですが、その人が本当に、本当によく、「お金がない」と口にするのでした。

その人はすごい働く人で、上司からも評価が高いようで、楽しそうに仕事していました。すごい楽しそうに仕事しながら、「こんなに働いているのに給料が安い。こんな収入じゃコレコレできない、アレアレできない」と嘆いていました。

聞けば、その給与は当時の私がもらっているそれより高い様子。「福祉は給料が安くて大変でしょ。あなたは本当に頑張っているよ。一緒に頑張ろうね」と称えてくれるので、私もいつも感謝していました。一緒に頑張ろうね〜と。


そんなわけで、私は当時、自分はお金を持っていないと思っていました。福祉の仕事は給料が安い。だから私は、お金を持っていない。しばらく、そう信じていました。


ふと本日、「自分はお金がなかったのか?」と振り返ってみたのです。


私は仕事を始めてから、コロナの時期を除いて年に一度は海外旅行に行っていました。東南アジアから、ヨーロッパ、アメリカ、カナダ。ミネソタ州に年に2回行った年もありました。

働いてからはずっと一人暮らしをしていて、平日は仕事終わりによく飲みに行きました。多分週に2〜3日は飲み歩いていたように思います。

途中、精神保健福祉士の受験資格を取るために専門学校に2年通いました。アメリカで取った学士では受験資格にならなかったのです。その後に大学院に3年通いました。

歯列矯正にも大きなお金がかかりました。コーチングを受けていた時期もあるのですが、それにもなかなか高いお金を支払いました。両方とも、お金に見合う素晴らしいサービスでした。(歯列矯正は現在も進行中。主治医がとてもいい人)


思い返せば、良いお金の使いっぷりだなと感心します。私は私が生きていくために必要なお金がしっかりあったし、趣味も美容も学問にもちゃんとお金を使うことができていました。


お金は、あったのですね。

でも当時、その人と一緒にいたその時期、本当にお金がないと思っていたのです。そのおかげでせっせと貯金できた、という良いこともありましたが。

お金がないと思って、ソワソワしていました。ソワソワしながら海外旅行に行っていました笑。でも、その人としばらく会っていなかったら、私はお金がないことを忘れていました。そして本日思い出したのです。

そうだった、私はお金がなかったんだ、と。



言葉は呪文となり、呪いをかけます。

「お金がない」と聞けば、私たちはそれを必要以上に信じてしまう。ちゃんとお金はあるのに、「ないない」と思いながら暮らすのは苦しい。

あなたも誰かの呪文を聞いていませんか?呪文を使う方も悪気は全くありません。その人もまた、呪いにかかっていることもあります。


誰も悪くないんだけど、そういうことってあるよね〜という話。

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2023年のテーマは洒洒落落。物事にとらわれず、さっぱりと生きたい。そんなハマダのこだわりレスな記事はこちらに収めます。


ハマダユイ
ソーシャルワーカー11年目。大学教員をやりながら、相談室バオバブで個別相談を受けている。精神疾患にまつわる悩み事、家族のこと、人間関係のこと、仕事のこと…。いろんな人と一緒に作戦会議を開く毎日。

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