見出し画像

自分のために初めて戦った日


ふと、自分が初めて自分の名誉だか尊厳のために戦った日を思い出しました。

まだ20代の新人ソーシャルワーカーの時代。自分に自信がなくて、世間知らずで、あたふたしていた日々の中で起きた出来事でした。

私の人格について、仕事関係者から失礼なことを言われた日でした。今となっては何を言われたか覚えていないので、大したことないことを言われたのだと思います。

でも私の自尊心はしっかり傷ついて、顔では「えへへ」と笑いましたが、その瞬間から心は荒れ狂ったのでした。

その夜、先輩に話を聞いてもらいながら、思ったのです。「やっぱりちゃんと怒ろう」と。

自分の名誉だか尊厳だかのために怒ったことは今までありませんでした。しかし日々事業所に通うメンバーさんの権利について考えるようになり、「私にも権利やら名誉やら尊厳やらがちゃんとあるはずだ!」と思い始めていた時でした。

失礼なことを言ったその相手に、夜震えながら電話をしたのです(仕事関係者に夜電話をしてしまう非常識さはおいといてほしい)。

「今日の昼頃話したあの件ですが!あの、発言ですが!やっぱり失礼ではないかと思いました。あ、謝ってほしいです!」

(決して酔っぱらってはいない)

その時私は、相手から謝罪が得られれば私の尊厳が回復すると思っていたのです。「それは悪かったよ」と言って欲しかったのでした。

そして私の望みは全く叶わず、「こんな時間に電話してくんな」(そのとおり!)「仕事の指摘をしただけだ」と言われて撃沈したのでした。

今、同じことが起きたらば、「それは失礼な言葉だと私は感じます」と言われた時に伝えて終わりだと思います。傷つくことを、今の私はしないと思います。

なぜなら、私に権利も名誉も尊厳もあると私自身が知っているのですから。

誰も私の名誉も尊厳も傷つけることはできない。私から名誉と尊厳を取り上げられるのは私だけなのです。

当時の私は、その人の謝罪によって回復する予定だった名誉やら尊厳やらがボロボロに打ち砕かれ、ワンワン泣くしかできなかったのでした。

「あの人に傷つけられた」と信じながら。相手の言葉で自分を自分で傷つけただけなのに。

可愛い私の、自分のために初めて戦って玉砕した日なのでした。こういうエピソードがあるから、誰かと一緒にその人の尊厳について考えることができる自分になったのだと思います。

ありがとう、過去たちよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?