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あなたがくれた夕暮れに。


稜線に今日が沈みゆく
もう何度目かのこの景色を眺めながら
あなたが今どこで何を感じているのか
目を細めて繋がろうとする


小さくても確かに続いていく祈り
その祈りで織り上げられた絵が
たとえ漆黒の海であっても
いつもあなたが光をくれるから
還る場所を忘れることはもう
決してない


「ただいま」と「おかえり」があること
儚い蒼海の一粟はただ奇跡なのに
人はどうして慣れてしまうのだろう
手放してしまうのだろう
忘れてしまうのだろう


この空が夜の海のように静謐になったら
人がずっと細く長く繰り返してきた
ありきたりで愛おしい時間がやって来る
「ただいま」と「おかえり」を想いながら
あなたがくれた夕暮れに
「また明日ね」と独り零す


もう二度と来ない今日に窓を閉めたらまた
やって来る愛おしい明日を
この両腕で迎えて







今度はあなたに朝焼けを見せてあげる







もう何度目かの







「おはよう」を添えながら










言葉の海 hana




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