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第2話「胸椎・股関節の○○性と下部体幹の○○性」

道東/帯広のアスレティックトレーナーです。
前回の第1話では「姿勢づくり」をまとめさせて頂きました。

私の「姿勢づくり」の中で、「お尻」や「下部体幹」の意識、「股関節」や「胸椎」などのポジショニングは、各選手によりアレンジしております。

今回はトレーニング指導の中で、私が大事にしている考え方の一つ「Joint by joint theory」に関して書いていきたいと思います。

1.Joint by joint theory とは?

ストレングス&コンディショニングコーチのMichael Boyleと理学療法士のGray Cookによって生み出された理論に基づくアプローチです。
簡単にまとめると「安定性が重要視される関節」と「可動性が重要視される関節」に分けられ、交互に並んでいるという理論です。

Joint by joint theory

その中でも私は(画像オレンジ枠内)、
 ○胸椎の可動性
 ○腰椎,仙骨,骨盤(特に下部体幹)の安定性
 ○股関節の可動性

へのアプローチが好きで、「胸椎・股関節の可動性」と「下部体幹の安定性」を求めてトレーニングをプログラムしています。

2.胸椎・股関節の可動性

★胸椎の可動性

まず胸椎の動きには、曲げ伸ばし(屈曲-伸展)や左右への側屈、左右への回旋などの動きがあります。
私は特に、「胸椎の回旋」の可動性を重要視しています!

例)野球の投球/打撃、バレーボールのスパイク、ゴルフのスイング など

また、腰痛の改善にもこの「胸椎回旋の可動域」は重要になります。

胸椎の回旋を作るために、私の中でのポイントが3つ!

 ① 胸椎伸展
 ② 胸椎側屈
 ③ 下位胸郭の拡張

① 〜③がしっかりできることで、胸椎回旋の可動性が高まると考えています。それぞれの中でも大切にしていることがあります。

① 胸椎伸展 
 ➡︎チンインとの連動した伸展
② 胸椎側屈
 ➡︎肋骨と肋骨の間=肋間が一つ一つ広がる
③ 下位胸郭の拡張
 ➡︎肋骨側部での広背筋との滑走性、下後鋸筋の収縮力  などをキーにしてエクササイズしています。

胸椎の回旋チェックとして、よく少年野球の子供たちには、次のような方法で指導しています。目標は、肘が天井を向く(90度以上)の可動性を求めています。

★股関節の可動性

次に股関節の動きには、屈曲-伸展、外転-内転、外旋-内旋があります。
どの可動域もとても重要でありますが、その中でも私は「屈曲+外旋、伸展+内旋」の3Dのような複雑な可動性を重要視しています。

これまたスポーツ場面ですが、単純な曲げ伸ばしではなく、外旋や内旋を伴っていることが多いですよね。

例)野球の投球/打撃での軸足の伸展+内旋、ジャンプに伴う伸展+内旋、構え(スクワット)屈曲+外旋

このように地面を足で押す際や軸を締める際には、股関節が「伸展+内旋」していくパターンが多いです。
また構えやパワーポジションいわゆる「スクワット姿勢」の際は、膝が内側に入る「ニーイン(Knee-in)」を避けますよね。そのため、股関節の「屈曲+外旋」が必要になってきます。

※もちろん「屈曲+内旋」「伸展+外旋」が不必要な動きではありません。
 私がトレーニングを作る上で重要視している股関節の動きです。

3.下部体幹の安定性

腰椎,仙骨,骨盤の安定性では、特に下部体幹の安定性を重要視しています。
私の中での下部体幹は、「お臍から下の部分で、コマネチ(鼠径部)ライン」とよく表現して指導しています。
※「コマネチ」って、今の子供に通じるのかはいつも不安でいます…

その部分の深層には【腹横筋】という筋肉があり、ちょうど腹横筋の下部に位置します。
この腹横筋が骨盤を安定化したり、腹圧コントロールに大きく関わってきます!
ここが安定するからこそ、上下に位置する胸椎・股関節が荷重位の際にしっかり動かせると考えています!

以上のように、今回は「胸椎・股関節の可動性」と「下部体幹の安定性」について私の考えを書いてみました。

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