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【保育士が教える!】1、2歳児の言葉の発達を促す接し方

こんにちは!妊活・子育てサポートアプリCOTETEで保育士監修ページを担当している、さとうなつこです。
子どもの成長は、私たち親にとっては嬉しい出来事ですよね。特に、1歳から2歳への成長期は、言葉の発達が目覚ましいものです。一方で、言葉が遅くて悩んでしまうご両親も多いです。そこで今回は、子どもの言葉の発達を促すためのサポート方法を、保育士の視点から解説していきたいと思います!

<このnoteは『COTETE Labo』掲載記事です>

言葉の発達に関しての噂

保育士の子は発達が早い!?

保育士時代、「保育士の子どもは発達が早い」という噂がありました。私たち保育士は、「えっ、そうなの?」という感じで特に意識しているわけではなかったのですが、園長先生は『経験しているから、子どもにとって最適な声掛けやサポートができるから、子どもが発達のコツをつかみやすく、早めに発達する子が多い』と仰っていて、驚いたのを覚えています。実際に私の娘は、9ヶ月で歩き始め、言葉もあっという間にペラペラしゃべりだしました(笑)

でも、専門的な勉強をし、日々たくさんの子どもたちのために試行錯誤をしながら保育をしているわけですから、保育士が『最適な声掛けやサポート』ができることは当たり前といってもいいのかもしれません。世の中のお父さん・お母さんが、声掛けやサポートが苦手だったとしても、仕方がないことだと思います!

発達は、“早ければいい”ということではありませんし、“遅いからだめ”ということは全くありませんので、誤解のないようにお願いいたします。
そのことを前提とした上で、保育士としての経験、接し方が、言葉が出なくて悩んでいるお父さんお母さんにとってなにかのヒントになればいいと思い、今回の記事を書いていきたいと思います!

男の子は話すのが遅い。女の子は話すのが早い

 これもよく聞く噂だと思います。「女の子なのに話すのが遅いね」と言われてしまい、嫌な気持ちになった方もいるかもしれません。

実際、男の子は話すのが遅く、女の子は話すのが早いというのは本当なのでしょうか?これは、正しい面もあります。というのも、男の子と女の子の脳の発達は、異なる部位が、異なる順序で発達するようになっています。

言葉の発達や、細かい手先の能力に関する脳の部位は、女の子の方が早く成熟するそうです。その差、なんと男の子よりも6年ほど早いのだとか。
一方、標的認識や空間記憶に関する脳の部位は、男の子の方が早く成熟するそうです。その差は、女の子よりも4年ほど。
そのため、女の子の方が言語の発達が早く感じたり、文字の読み書きも覚えるのが早いように感じるのです。

とはいえ、個人差がありますので、男の子だから、女の子だからというのはあまり気にしないようにしましょう。

たくさん話しかけるほどたくさん言葉を覚える

言葉は自然に覚えるから、特に何かをしなくてもいいのではないかと考える人も多いです。しかし、2020年のある研究で、このようなことがわかったそうです。

"ペアレンティーズ"または"マザリーズ"という言葉は、高い音程や大げさな表情とともに、単純で短い言葉を繰り返し使って赤ちゃんや幼児とコミュニケーションをとる方法を言います。
そしてこれは、無意味な音や「ばぁ」などの言葉ではなく、しっかりと意味のある言葉を使って話しかけます。

2020年2月に、米国科学アカデミー紀要(PNAS)に発表された研究によると、生後半年の赤ちゃんを育てる親がこのペアレンティーズの方法を指導を受けながら子どもと接すると、子どもが18カ月(1歳半)になったときに、この方法を使わなかった親の子どもに比べて、約2倍の言葉を話すことができるという結果が得られました。

また、上の子より下の子のほうが言葉の発達が早いこともあり、『話しかける量』そして『周りで飛び交っている言葉の量』が言葉の発達に大きく影響していることがわかります。

そして、コミュニケーションも大切です。
子どもの顔を見て話しかけること、子どもが話しかけたことに対してしっかり返事をしましょう。子どもはお父さんお母さんに自分の言葉や想いが伝わると嬉しくて、コミュニケーションをとることが楽しくなり、結果的に言葉の発達にも繋がっていきます。

保育士がやる!言葉の発達を促す接し方

言葉の発達について少しわかったところで、ここからは保育士が実際にやる言葉の発達を促す接し方についてご紹介したいと思います!
「どうやって話しかけたらいいかわからない…」「こちらの言っていることは理解しているようだけど、言葉が出てこない」という方に、ぜひ実践していただきたいです!

絵本やおもちゃを使って話しかける

絵本を見せながら、(まだ答えられなくても)
「これは誰かな? うさぎさんだね!」「これは何色かな? 赤だね!」なと出てくるものに関して話しかけてみましょう。
保育園でも絵本や紙芝居を読んでいるときは、コミュニケーションをとりながら少し大げさに読んでいます!

普段の生活から話しかけることを意識する

まだ言葉を理解していない、言葉を発することができない月齢でも、「お腹空いた?そろそろご飯にしようか。今日のお昼は何にしよう?」など、子どもに話しかけています。
話しかけることが難しいと感じる方もいると思いますが、「ご飯残ってたかなぁ」「買い物に行かないとね!」など、頭の中で思い浮かべるようなことを口に出して子どもに伝えるだけでも十分です!
大好きなお父さんお母さんが「自分に話しかけてくれている」と感じるだけで、「早くお父さんお母さんと話してみたい!」と子どもが感じ、言葉を楽しみ、言葉を話す意欲に繋がります。

ん!と指さすだけには答えない

まだ言葉が出ないけれど、意思疎通が少しずつできるようになってきた月齢の子で、指差しができるようになった子は「ん!」と指を指してコミュニケーションをとろうとするようになることが。

お茶を指さして「ん!」と言っても、「はいはい。お茶が飲みたいのね」とお茶を出してしまっては、言葉の発達に繋がりません。
「うん?なあに?これは”お茶”だね。”お茶、ちょうだい”だね」と、こういうときどういう言い方をしたらいいのかを伝えるようにしましょう。
少し言葉が出始めたら「お茶って言ってみようか。おーちゃ!」など言葉の練習をすることも大切です。

敢えて、察してあげない

以前、言葉を理解しているけれど言葉がなかなかでない子がいました。心配したお母さんが保健師さんに相談をすると、こんなことを言われたそうです。
「お母さん、この子は『言葉を必要としていない』ようです」と。

お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、おばさんが一緒に住んでいるご家庭で、大人の方が全て察してくれるから、言葉がなくても生活できてしまっていると言われたそうです…!

「そろそろ喉乾いたかな?お茶飲もうか」とお茶が届く。
「そろそろお腹空いたよね、ご飯にしようね」
「お天気がいいからお外に行こう!」
「このフタ開けたいの?開けてあげるね」
「積み木、重ねたいんだね。押さえててあげるからやっていいよ」ど
大人の方が話しかけ、決めてしまうことで、子どもにとって言葉が必要なくなってしまうのだそうです。

まだ言葉が出ない月齢では、一方的な話しかけで大丈夫です。
しかし、意思表示が少しできるようになった頃~少しずつ言葉が出てくるころは、お子様からのアクションを待つ余裕も必要です!

実際、園でも敢えて察してあげないということはあります。
例えばブロックがとれなかったときに、すぐに声を掛けて助けてあげるのではなく、「とれない!」と助けてもらいに来るのを待つことがあります。
そこで、「“とって”って言うんだよー」などと教えてあげることができます。
えて察してあげない=自分でアクションすることで、コミュニケーションをとり、言葉の発達を促すサポートをすることができるのです。

ごっこ遊び

言葉の発達を促すためには、ごっこ遊びは最適です!
「こんにちはー!」「いらっしゃいませ!」とお店屋さんになったり
「ご飯ですよー!」「ママー!遊ぼう!」と家族になりきったりと
ごっこ遊びは、お話、会話の宝庫です♪
ごっこ遊びは女の子のイメージが強いかもしれませんが、
女の子だけではなく、男の子もごっこ遊びは大好きです!
楽しみながら言葉を使うことができますので、遊びとしておすすめです!

最後に…

いかがでしたでしょうか?
言葉の発達は本当に個人差が大きいです。たくさん話しかけても、発語に繋がらなく、ある日突然驚くほど話し出す“語彙爆発”という言葉もあるくらいです。
「話しかけなくちゃ」「話しかけ方が悪いのかな」と悩んでしまうのではなく、楽しく声かけを行っていけることが理想です。
また、不安に思うことが多いのであれば、迷わず専門家に相談することをおすすめしています。
悩んでいるお父さんお母さんにとって参考になると幸いです!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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