河野 花

忘れられない・忘れたくない気持ちの記録

河野 花

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最近の記事

人間のことばかり考えた日

朝起きてテレビをつけると、受験にまつわる思い出の街頭インタビューをやっていた。そういえば高校受験のとき、時計忘れたっけ。受験教室から時計が撤去されてるから各自腕時計必須なのに忘れてしまって、結局わたしの後ろの席で試験を受ける友達に「10分経ったら1回、20分経ったら2回足でわたしの椅子をトントンして」とお願いをして時間配分をした。受験当日、帰宅後そのことを母に伝えたら大層驚かれ、そこではじめて自分が相手にかけた迷惑度合いを知った。その後彼女もわたしも合格したことでようやく安堵

    • 適度に素直に受け取りつづける

      こどもと真面目に接するとどうしてやたらと疲れるんだろうと不思議だったけれど、テンションをそこそこあげて、言い方を変えると無理をして頑張っていつづけなければいけないからだと気づいた。 いつもよりちょっとだけ高い声で話しかけたり、にこにこ元気に接したり、明るく励ましたりする。しつづける。身体的疲労や精神的疲労とはまた違った種類の疲れが発生する。そうすることで我が子はにこやかに日々を過ごしていけるのだからいいのだけど。言葉にし難いかわいさの表情を、声を、動きを存分に享受する一方で、

      • きれいな涙のひみつ

        今日も洗い忘れた!と毎晩思う我が子のスリーパーを今日は洗った。洗った!でもうんちのついた服と肌着の予洗いはしそびれていることを今思い出す。未来の自分が思い出しますように。 昨日の昼すぎに寝返りをモノにした我が子は夕方には寝返り職人になり、今日も床にベッドに、降ろせばしずかにくるりん。身体を移動させられるようになったこと、視界がかわること、きっとものすごく新鮮で楽しくて堪らないんだろう。瞬く間にくるりん。うつぶせでこちらをみてにこーっと笑う。 寝返り職人になったこと、成長の節

        • 臨月〜出産レポ(のはずが、ラブレター)

          8月某日 昨夜は早めに横になったのに意外と寝付けなくて、寝られてもなんだか目がさめて、朝が来るまでに何度起きただろう。5時に夫が活動を開始したのでなんとなくそこで覚醒したけれど、トータル睡眠時間はそこそこにはなったから元気。のはずが、7時台で既によぼよぼであるし、トーストを焼く気力もなくてとりあえずバナナを食べて朝ドラをみてから横になる。脱力と堕落を自分に許した途端にだるさと疲れとかなしみと、そういう類のかたまりがどっと押し寄せてきて、なんでなん?なんなん?と思いながらただ

        人間のことばかり考えた日

          夏至の内緒話

          なかなかのプライベート話&性的な内容が含まれております。まったくもってノーマルな気持ちでは読めないと思われるのでがっつり有料です。

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          夏至の内緒話

          こんにちは32歳。自分のための大切な記録

          久々に会ったいとこが誕生日プレゼントにくれたのはさくらの匂いのするボディーソープだった。 はやる気持ちで蓋を開け、匂いを嗅いでみる。 春のあたたかな日差し、芽吹きの時期のあの空気、桜で有名な公園の景色が頭をよぎる。 数ヶ月後に待つ春、そしてその少し先にある人生の色々に思いを馳せて、なんだか心がむずむずした。いろいろ待ってるぞ、32歳。 (ここから先、超プライベートなおはなし。重大な人生の話とそれに伴う赤裸々記録が綴られているため、鍵代わりの有料設定です!金額に見合う価値はた

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          昼下がりの居間の色

          天体ショーでたくさんのひとが同じ月をみていた夜、ごはんをたべていたら下腹部痛がやってきて、今月も概ね予定通りに女性のからだの機能がめぐっていた。 夕方、歯医者からの帰り道で欠けてゆく月をのんびり眺めたし、ごはんをたべながらからだはどこかよそよそしくなってきた。みんながみている天体ショーへの参加はもういいや、とソファでのんびりする。 翌朝、食器の片付けと洗濯物を済ませて、約束していたzoomを1時間。インスタントラーメンをすすりながら朝ドラの再放送をみていたら、若者たちの熱い

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          河原の石ころたちを愛でたくなって

          30歳を目前に控えた冬。すこし時間ができたわたしは編み物をはじめた。 編み方の手順をよく読み、解説のイラストと手元の糸・針を見比べ、指示通りに動かしていく。無心になって手を動かすうち、目の前にそれっぽい糸の連なりが形作られていく。手元には、編み物っぽいことになっているなにかがあっという間に出現した。 文章を理解してイラストをよくみて、その通りにやってみるだけで、遠いところまでこられる編み物の世界。夢中になって、手袋、靴下、スヌード、セーターと次々に挑戦した。いまは、4つめの

          河原の石ころたちを愛でたくなって

          おいしさとたのしさの疑似アルコール、ハッピーアワー

          3年ぶりの秋のおいしいもののお祭り。今年はいきたいなあと思っていながら、テレビで初日の賑わいを眺めてのほほんとしていたのだけど、SNSで友達があげていたおいしい海産の写真とその日の気候が脳内で合わさり「これは最高でしかない!!!完全に行きたい!!!」と感情がロケット大発射。どうやら明日までは天気も晴れて気持ちよさそうだ。仕事が終わってからすみやかに帰宅して会場に向かっても15時すぎにはいけるはず。うまいもんを食べるなら誘うのはきみ!と決まっている、高校の友達にすみやかに連絡。

          おいしさとたのしさの疑似アルコール、ハッピーアワー

          THE DAY オブ スーパー銭湯

          玄関を出ると土砂降りで、先輩の待つ車までのたった数メートルを慌てて駆けた。 十年前、はじめてのバイト先で出会った先輩。辞めてからも関係は続き、あるときは深夜のびっくりドンキーで味噌汁を啜り、あるときは深夜のなか卯でうどんを啜り、またあるときは静まり返った公園で夜景を眺め、それから三ヶ月間だけルームシェアもした。当時転職直後の先輩の弁当を毎朝作ったのはいい思い出。 そしてスーパー銭湯もわたしたちの定番スポットのひとつ。コロナ禍や様々なタイミングもあって銭湯のプランは久々だった

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          素直になろう2022夏

          初めてお金を払って見てもらった占いでいわれたことは、要するに、もっと素直でいなさいということだった。自分のスキルを無視せず素直に使いなさい、と。 この1年と少し、わたしはとっても満たされている。 けれどそれは環境や状況にたまたま恵まれているだけだってずっと思っている。このバランスがいつ崩れるのか、その先になにがあるのか。そんなことを頭の片隅でぼんやり考える日々が続くので、ちょっぴり占ってみてもらうことにしたのだった。 「これから、どんな生き方になりますか?わたしは何を生業

          素直になろう2022夏

          もう大丈夫、っていえるよ

          あの選択は正解だったんだ、今立っているこの場所に胸を張れるよと、3日に1回は思っている。 母親や親友、近しい人にはいつも肯定してもらえている人生なのに、それでもずっと自信がもてなかった。人生の岐路に出会うたび真剣に頭を悩ませて自分で考えて答えを出してきたから、選択そのものに後悔したことは一度もない。けれど選択した環境からやむを得ず離れてしまったことが何度かあり、そのたびにまるで大失恋をしたかのように気持ちを引きずった。引きずったその気持ちはだいたい時間に解決してもらっていた

          もう大丈夫、っていえるよ

          ありがとうをあなたに

          2020年も、お疲れさまでした。わたしと、一年共に過ごしたあなたへ。 きのう、大晦日に使うお猪口を買いに100均にいくだけの散歩にいった帰り道。夫が滑ったのにつられてわたしが盛大に転んだ。帰宅してタイツを脱ぐとわたしの膝が今までみたことないくらい青く、こんもり腫れていて、そんなにわかりやすい怪我をしているとは思わず「うおー!なんだこれ!!!こんなに?!?!」と二人でげらげら笑った。そのあとテレビをみながらおならをしたら、わたしのおならが臭すぎて夫が「くっさ!!!え?!なにこ

          ありがとうをあなたに

          ユースキン記念日

          夫は医療従事者で、患者さんに直接触れる機会があるため、アルコール消毒がマナーになる前から一日に何度も消毒をしていた。おかげで手はいつだって荒れていて、かさついていない彼の手をわたしはしらない。 この冬の彼の手はいつも以上に荒れていて、手だけみたら荒れすぎて年齢を推測することができないレベルに達した。指先はもちろん、手の甲もかちかちのしわしわ。手首まで赤くなっている。これはちょっと目に余る!ということで「ドラッグストア ハンドクリーム おすすめ」でリサーチ。匂いや美容面は放っ

          ユースキン記念日

          季節の過渡期

          食材の買い物を終えた帰り道、まだ13時にもなっていないけれど陽は傾き、夏の眩しい日差しとは違う、すこし白っぽい光が住宅街を照らしていた。 日陰をぬけて陽を浴びたとき、季節だ、と思った。 光の色が冬。あたたかい季節の昼の光は、もっとまるくてやわらかい。ひんやりをすこし過ぎたつめたさの初冬の空気とともに浴びる日差しは、寒さが増すのに比例して鋭くなる。12月頭、鋭くなりはじめた日差しは住宅街を白々しく照らして、空は妙に抜けてきれいな青。季節の過渡期。 買い物から帰ってきて一息

          季節の過渡期

          無職1日目、なんでもない日

          日々、なんてことなく過ごしているだけでも、ほんとうはいろんなことがわいて、拾う暇なくこぼれおちて、どんどん流れていっている。 読んでいた本で出てきたベビーベッドのレンタルの話で思い出した、祖父の一周忌で母が挨拶のときに涙声で話した「いま孫が父のつくったベビーベッドで寝ています」というそのひとこと。 「お父さんの生きる糧をひとつでも多く作ろうっていう気持ちで、それぞれができることを精一杯やっているだけなのに」とこぼした母のこと。父が病気で亡くなるまでの約半年、兄夫婦に子供が

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