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LINEノベルのサービス終了にて感じること

こんにちは。

LINEノベルのサービスが終了するというニュースを閲覧しました。
作品の公募があり、LINEノベルから書籍化の話題があり、今後大きく飛躍していくんだろうなあ、と思っていましたが、終焉を迎えるわけです。運営会社の都合がありますので、一個人の意見が、あーだこーだ言っても、何もならないとは思いますが、気持ちを残そうかと。


三島由紀夫先生の著書、文章読本には、以下の記述があります。


チボーデは小説の読者を二種類に分けております。一つはレクトゥールであり、「普通読者」と訳され、他の一つはリズールであり、「精読者」と訳されます。チボーデによれは、「小説のレクトゥールとは、小説といえばなんでも手当たり次第に読み、『趣味』という言葉の中に包含される内的、外的のいかなる要素によっても導かれていない人」という定義をされます。新聞小説のの読者の大部分はこのレクトゥールであります。一方、リズールとは、「文学というものが仮の娯楽としてでなく本質的な目的をして実在する世界の住人」であります。リズールは食通や狩猟家や、その他の教養によって得られた趣味人の最高に位し、「いわば小説の生活者」と言われるべきものであって、ほんとうに小説の世界を実在するものとして生きて行くほど、小説を深く味わう読者のことであります。

 

精読者の方々にとっては、LINEノベルの終焉と同時に、人生の本質的な目的が終焉を迎えてしまったわけです。
僕自身が精読者として自負していますから、もし、LINEノベルを読みふけっていましたら、人生の本質的な目的を失ってしまうわけです。ちょっと、恐ろしいものですね。偶に眺める程度のユーザーでしたので、難は逃れました。

もし、LINEノベルのサービス終了に嘆かれる読者の方々が、代替の本を探し出すのは容易なことではないと思います。僕自身も、人生の糧となった本を探し出す時間を考えてみますと、31年の歳月を費やしたわけです。生後すぐから探していたわけではありませんが、経験から深まる読書体験というものもがありますので、ここでは31年と計算します。このように、探し出すことは、決して容易ではありません。
しかしながら、きっと見つかると思います。いつか、きっと・・・。

図書館や本屋に眠っている文豪が残された多くの本は、読者の方が手に取る瞬間を待望していると思います。ある本は埃をかぶっているかも知れません。ある日は陽を浴び過ぎて、古色を帯びているかも知れません。それでも、是非、眠っている本を手に取り、描かれた物語を、読者の瞳を通して開花させてあげて下さい。


最後に。

文豪が残された著書を図書館で読む、本屋に行って購入する、こういったプラットホームを維持し、継承されています、本に携わるすべての方々に感謝の意を述べたいと思います。いつも、ありがとうございます。


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花子出版   倉岡 




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