hanaco_nagai

頭の中に浮かんだ言葉を文章にする練習。 本業はフリー校正者です。 みんなのフォトギャ…

hanaco_nagai

頭の中に浮かんだ言葉を文章にする練習。 本業はフリー校正者です。 みんなのフォトギャラリーを利用しています。ありがとうございます。 永井華子で、「小説になろう」にいくつか投稿しています。https://mypage.syosetu.com/2393038/

マガジン

  • カープ!

    広島東洋カープを応援しています。他、野球について、にわかファンのつぶやき。

  • ピックアップされた記事

    クリエイターさんnote運営さんのマガジンに追加していただいた記事です。ありがとうございます。

最近の記事

  • 固定された記事

新築人生

 私の生家、小学校卒業まで暮らした家は築五十年以上経つ土壁に板張りの古い家だった。冬の隙間風にふるえ、夏の湿気に茹だり、家の前の路地にトラックが通れば、建具がガタガタとなる、そんなボロ家。  中学生になった年に隣町のマンションに引っ越した。バブル期に計画されながら、着工する頃には泡ははじけており、さまざまにコストカットされた物件であった。  阪神大震災の少し前だったが、キッチンと洗面所の水栓の止め方の上げ下げが違う、というのは当時としても違和感があった。  それでも新築マン

    • 知らない人あてのお礼をされた話

       私は、個人事業主として校正の仕事をしている。基本的に仕事のやり取りはメールと、宅配便だ。すべて電子化されているところもあるとは思うが、少しばかり特殊な分野の仕事のせいか、紙のやり取りが続いている。  依頼のメールを確認し、内容と期日が可能なものであれば、お引き受けする。実際の校正紙のやり取りは宅配便やメール便。  ほとんどの仕事がこのやり取りなので、実際に取引先の担当者に会うことはない。一度も会ったことのない人、電話ですら話したこともない人と何年も仕事をしている、というこ

      • 幸せの主体はつねに私

         幸せであるかどうかを決めるのは私。  当たり前のことのようで、実は難しい。  幸せなのかどうか、どうしても人と比べてしまう気持ちがあるから。  けれど、その基準はやっぱり自分の中にあるもので、人には人の別の基準があることになかなか気がつけない。  例えば、あの人は裕福そう。若く見える。パートナーが優しそう。友人が多そう。いつも楽しそう。両親が近くにいて頼れることがうらやましい。 「うらやましい」という感情が最もやっかいだ。  私にとって「うらやましい」ことは、人にと

        • 「させていただかない」勇気

          「させていただく」が多用されるようになって、もう久しいと思う。 「させていただく」とは、相手に許可を得て行動することを意味するので、許可を必要としないことに用いるのは間違い、とまではいわないけれども適切ではない。 「お電話させていただく」「ご挨拶させていただく」「ご報告させていただく」 「させていただく」をつけることで、丁寧な、あるいは相手をより尊重した印象になる、ということだろうか。 「お電話いたします」「ご挨拶に伺います」「ご報告します」 としたことで、敬意が失わ

        • 固定された記事

        新築人生

        マガジン

        • カープ!
          6本
        • ピックアップされた記事
          4本

        記事

          「。」が怖いという感覚と、電話だと対応が変わる人

           LINEなどのメッセージで文末に句点があると、威圧感を覚える人が若者に増えているらしい。という記事を見た。 「マルハラスメント」なんて言葉もあるのだとか。  本当かなぁと思っているが、私は若者とコミュニケーションをとることがあまりないのだ気がついた。  なにごとも自分のものさしだけではかってはいけない。  少なくとも、そうした感覚を持つ人はいるのだろう。  仕事柄、句読点がない文章には違和感を持ってしまう。  読点が適切でないと感じたら、鉛筆で書き入れるし、句点が入って

          「。」が怖いという感覚と、電話だと対応が変わる人

          2月に必ずすること ー手紙を書くー

           明日から2月。  2月中に、親友に手紙を書こう。  メールでも電話でもなく、SNSでもない。手紙が今の私たちの距離感にはきっとふさわしい。  すぐには会えない距離。コロナに奪われた時間。  それでも彼女との縁をつないでおきたいから。  忙しい彼女は、返事をかえせないかもしれないし、返事はいらないと書いて送ってもいい。返事がほしくて書くわけではないのだから。  私の人生もおそらくそろそろ折り返す。  迷ったり、悩んだり、躊躇している時間がもったいない。  私が辛かった

          2月に必ずすること ー手紙を書くー

          ブームを起こした話

           小学生の頃、クラスでブームを起こしたことがある。  公立小学校だったが、奨励服と呼ばれる制服があった。女子は細い吊り紐付きのプリーツスカート、男子は短パン。どちらも紺色で、冬には胸元に校章のワッペンが付いた上着もあった。  そのスカートの吊り紐には、名札がつけっぱなしになっていた。  昭和から平成へとかわる頃、個人情報なんて言葉はまだ身近で耳にすることはなかった時代。  学校名の刺繍が入った布に、マジックで学年クラスと名前を記入してビニールのケースに収めるもので、今思

          ブームを起こした話

          アポロ計画だったのに、次の計画がディアナ計画ではなく、アルテミス計画になったのはなぜなのか。ギリシャ読みの方が好みではあるけれど。

          アポロ計画だったのに、次の計画がディアナ計画ではなく、アルテミス計画になったのはなぜなのか。ギリシャ読みの方が好みではあるけれど。

          FB ーフレンドシップブックー の話

           FBと書くと、Facebookの略称と思われるだろう。それとも流行が落ち着いた今なら、そうでもなくなってしまっているのだろうか。  中学生の頃、友人に教えてもらった”FB”はFriendship Bookという。  数枚のメモ帳をホチキス止めしたものに「FB」と書く。そこに英語表記で住所を書いて、外国のペンフレンドへ送る。受け取った相手はまた、住所を書き足して別のペンフレンド送る。書くスペースがなくなったら、作成者へ送り返す。  趣味や自己アピールなども添えて、新たな

          FB ーフレンドシップブックー の話

          note 改行位置問題 ーPCか、スマホか

           私は文字が程よく詰まっている方が読みやすく感じる。  しかし、ネット上の記事やweb小説では、適度な、あるいは過剰なくらい空白行が入っている方が好まれるらしい。  紙の書籍であれば、目は文字を追っているので視界に全体が入るのは頁をめくる時くらいだろう。  それに比べてデジタルでは、基本的に全体が視界に入っている気がするので、文字が詰まっていると圧迫感があるのは否めない。  web小説を書きはじめたころ、これに気づいていなかった私の文章は、「読みにくい」ではなく、「読みに

          note 改行位置問題 ーPCか、スマホか

          ハトムギ化粧水(個人の感想です)

           最近インターネットでよく出てくる「首のイボがポロポロとれます!」という広告。見た目にも気分が悪い上に、作り物に見えるかたまりを綿棒や指先で落とす映像には、なんだか鳥肌が立ってしまう。  私のスマホにこれらの広告が表示されてしまうのは、結局首のイボに悩まされる年代だからだろう。情報が収集されているのは仕方がない。  実際、四十代に入ってから、見た目には変化はないが、触るとぷつぷつとした小さな突起が指先にあたるようになった。  ちょうどその頃、娘の足にもイボができて皮膚科

          ハトムギ化粧水(個人の感想です)

          ご近所づきあいの距離感

           ご近所にお住いの方とのおつきあい。  用事があって訪ねてこられたり、庭仕事のタイミングが一緒になってお話するときにはとても朗らかなのに、道で偶然ばったり会って挨拶すると、驚くほどそっけない。  そっけないときでも会釈はしてくれるし、その後会うと何事もなかったかのように機嫌よく話してくれる。  ご近所という離れられない間柄だから、できる限り平穏を保ちたい。  慣れるまでは、もやもやした気持ちを抱えて、少しばかり感情が振り回された。  そんなおつきあいが数年続いて、なんとな

          ご近所づきあいの距離感

          2023 広島東洋カープのベストゲーム

           下馬評をことごとく覆し、ペナントレース2位。  今年のカープはまだ試合がある!  と、幸せな気持ちのにわかカープファンに対して、我が家の生粋のカープファンはまだまだ厳しい。  特に、自力でクライマックスシリーズ本拠地開催を勝ち取れなかったことには、なかなかご立腹の様子でありました。私は素直に2位おめでとう、クライマックスシリーズももちろん応援します。  閑話休題。  今季も、楽しませていただきましたが、個人的なベストゲームについて。  今季、私の広島東洋カープのベスト

          2023 広島東洋カープのベストゲーム

          読んだ文章が頭の中で映像化する

           私は、小説でもエッセイでもコラムでも、文章を読むとその情景が頭の中に映像として流れる。  誤字脱字があったり、文章の流れが悪かったりすると、その映像が途切れてしまう。ときには挿絵すら邪魔になることもある。  私の本業は校正者だが、仕事にこの読み方が役立っていることもある。(文字校正のときにはない方がよいが)  中学高校の6年間は学校の図書館で、さまざまなジャンルの本を読みその世界にひたっていた。今思えばなんと贅沢な時間だったことか。あの頃、たくさんの本を読めたのは、読むこ

          読んだ文章が頭の中で映像化する

          子どもたちの流行り

           昭和に生まれ、平成に育った世代は、子どもの頃の共通の記憶が、現代の子どもたちよりも多かったのではないかと思う。  テレビはドリフから、漫画は『りぼん』か『なかよし』、男の子なら『ジャンプ』、ゲームはファミコンからスーファミへ。  学校での話題はみな共通で、前日のテレビの人気番組。見ていないと話しについていけないから、と普段は喧嘩ばかりの姉と一緒にチャンネル権の交渉を父に持ち掛ける。  対して令和の現在。テレビ離れも久しく、スマートフォンやタブレットを使いこなし、漫画雑

          子どもたちの流行り

          PMSと本来の自分

           最近PMS(月経前症候群)を軽減する薬が増えて、テレビでCMが流れるようになった。  テレビを見ていたとき、そのCMを見た夫が言ったこと。 「若い女性タレントがこのCMに出るんだね」  それを聞いた私は、PMSと更年期障害を混同しているな、と思い、夫にはPMSは月経前症候群、生理がある女性なら誰でもなる可能性があるもの、更年期障害はあなたがイメージしているものでたぶんあっている。  だからPMSの薬を若い人気タレントが宣伝することは違和感はない、と説明したが、「ふうん」と

          PMSと本来の自分