「今までの仕事の中で、くだらないものをできる限り挙げて下さい」

初めての派遣で、職場訪問の時に聞かれたことです。人事・総務の仕事は幅広いのでと補足があったので、思い出すままに挙げてみました。
例えば、健保組合の冊子を配る、役員が読む前の新聞の全ページをめくっておく、職場のポットの水を足す、茶葉の管理、社員旅行の積立金集金……出るわ出るわ。

幸い、初の派遣は初めての職場訪問で決まったのですが、実はこれが決め手だったと後で聞きました。派遣会社5社ぐらいに声をかけていたそうで、前任者との引継ぎ期間が限られていたため「そんな仕事聞いてません」と言いそうもない人が良かったのだそうです。

結局、入ってすぐに移転の話が出たり、本国からの指示で頭数で20%削減というリストラがあったりで4か月で終了しましたが、初外資の経験となりましたし、派遣ながらリストラオペレーションをしたというのは後々また役に立ちました。

「私は派遣ですので、社員のクビを切る仕事なんてできません」
と断ってしまったら、せっかくの経験ができなかったことになります。
（人事業務ですので、契約外の仕事というわけでもありませんし）

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せっかく経験になりそうな仕事だったのに、うまく生かせないケースも見てきました。

「私は何もできないので」
「私はそれをやったことがありませんので」
と、やる前からやたらと言ってくる人たちです。心理学でセルフ・ハンディキャッピングと言って、失敗しても他のせいにするためですが、失敗を次の成功に生かせないのですからいつまでもできないままです。

また、ネガティブな言葉を発することにより、身体はその通りに反応して、血流が悪くなって脳に養分も届かなくなって、結果的にやはり失敗するのだそうです。
新人の頃に読んだビジネス誌に載っていた話です。言霊とはこういうことか、と思いました。

これからやり方を教えますよという時に
「私、それやったことないので」
と言われたら教える方もガッカリしますし、教えてもらっても出来なかったら、その時に出来ませんと言えば良い話です。

何より、教えてもらいながらでもやれば経験になったのにね、と思います。
そのような人の一人が、派遣終了となる時に言いました。
「私はそれをやった経験がなかったので出来ませんでした」と。
そうですね、そう言ってチャンスを潰してきたのですね。せっかくの機会だったのに勿体ないですね。

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