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7カ月で辞めた会社があります。
もちろん、自分のキャリアに傷がつくとはわかっていました。ですが、このままでは死ぬとも思い、苦渋の決断でした。

原因は、ADHD(注意欠如・多動性障害)と思われる上司。このヒト在職中の部下の離職率は50%と言ったらおわかりでしょうか。英語は出来ましたが仕事はできなかったので、バブルの頃に単なる幸運で管理職に就いて、部下がきちんと仕事をした事を自分の手柄にしてきただけと想像します。

普通に順序立てても話は通じませんし、連日朝9時から翌朝3時位の勤務だったのでさすがに疲れていて、もう辞めよっ!と決めました。代わりに、本来は裁量労働にしてはいけない職務だったので(この話も通じませんでした)残業分は取り戻すべく、労基署に相談して進めました。

そうして、自分のお尻に火が点いて労基署から呼出を食らって初めて慌てるという、まさにADHDでした。

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退職後は休学寸前だった大学の勉強に集中しました。あんなに残業したら昼休みの1時間に勉強していただけ偉いと自画自賛しましたが、土日も出勤することが多かったのでスクーリングや試験が受けられなかったのです。

精神医学の勉強をしていて、思い出したことがありました。中学の頃に、いじめっ子といいますか、ガキ大将みたいな女子Aがいました。

ただいじめるだけではなかったので、そこそこ彼女の周りには人が集まっていました。いま思うと、話が上手かったのかなと思います。その一方で、想いや表現の仕方が強すぎることがありました。

小学校3校が集まる中学校でした。私と同じ小学校から進学した白血病の子が、中学2年で亡くなりました。Aはその子のいた隣のクラスへ乗り込み、訃報を聞いて泣いていた子たちに「めそめそしてんじゃねーよ!」と言い放ちました。

一方で、お通夜に行く前の放課後に、堪え切れなくなってトイレでさめざめ泣いて、友達が側についていてくれた時にAが入ってきて
「偉い!人前で泣かないで、隠れて泣いてるアンタはエライぞ!」
と言うのです。要は、彼女の好きなスタイルかどうかだったらしいです。

もう一つ、彼女の周りに人が集まった理由に繋がりそうな話があります。
「夜中にどこかから声が聞こえて命令されて、気がつくとカーテンの模様を朝まで数えてたりするんだ」
中学生はこんなオカルトに興味津々です。どんな声?男?女?何て言うの?
皆の質問は途切れることはありません。

ですが、この話を思い出したのは、教科書の統合失調症の章を読んでいた時です。皆の気を引こうとした嘘だとはとても思えませんでした。本当となると、幻聴?発症時期としては──思春期だ。

嫌な思いもしましたが、決して嫌いではなかったのは、強がりの中に時折見せる彼女自身の困惑を見たからだったのだろうか、と思いました。もっとも、中学生には「強い子がほろっと見せた弱さ」ぐらいに感じていたでしょうけれど。

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前述の元上司も、その顛末を話した人からは「憎くないの?」と聞かれることがありました。嫌だったけれど、身体もきつかったけれど、”憎い”という感情はありません。それは、そういう負の感情に自分のパワーを使うのが嫌なのもありますが、こんな風に答えました。

「そんな事されて、その人のこと憎くないの?その人は今のうのうとしてるんでしょ?」
「う~ん、なんというか”罪を憎んで人を憎まず”みたいな感じなんだよね。その人自身が悪いわけじゃなくて、ADHDの症状が悪い、みたいな」

とんだお人よしだわ、と、聞いた人は肩をすくめました。

補足すると、のうのうとその会社で働いていたわけではなく、「人事がこんなに辞めるなんて信用できない」と営業部長や管理部長(共によく私の面倒を見てくれた人事の姐さんの飲み仲間)が海外から新たに赴任してきたCOOに言い、我が身の危うさお尻へ再着火!にようやく気づいて転職していったそうです。

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