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「敷居が高いから」と言う人が難しくしてしまう

茶道、着物、伝統芸能。それを仕事や趣味にしている人の発言を、ラジオや雑誌で見聞きすることがありますが、気になるのが、

ちょっと敷居が高いですが、……
敷居が高いと思われがちですが、……

そんなフレーズ。インタビュアーや記事を書いている人が、自分のイメージだけでそれを言ったり書いたりしていることもあります。

思うに……だから難しいと思われて普及しないのでは?
と、行きつけの呉服屋の店員さんと話していたら、激しく同意されました。彼女はお能に詳しく説明も上手ですので、気になる上演がある時は彼女に聞くようにしています。

つまり、そんな人たちが言う「敷居が高い」とは、単に「知らない」と同義なのかな、と。知っている人に聞いたり調べたりせずに、思い込んでいるだけの人もいましたし。

「だって歌舞伎って高いでしょう?」
「歌舞伎座の3階B席は4,000円ですよ」

今は一幕見席も復活したので、短い演目は1,000円弱です。単なる体験なら幕見でも充分かもしれません。だんだん前の席で観たくなるのですけれどね。

よく見える席の方が高いというわかりやすいシステムですので、音楽ライブにありがちな「ファンクラブ席なのにこんなに後ろで均一料金!?(実体験)」なんてことはありません。松竹歌舞伎会で実績を積めば、一般より早く買えるようになりますしね。よくできています。

コロナ前の新橋演舞場にて、欧米の外国人観光客が係の人の説明で
"Oh, that's reasonable!"
と言っていました。4時間近く楽しめて一等席がその金額なら良いじゃないか、と。わかってらっしゃるぅ。

👘

茶道は学生時代から習っていました。一緒に華道もやりたかったのですが、華道部は選にもれて茶道部のみ。部活やサークルは始めやすいですね。

お茶のお稽古はスカートにソックスでしたが「本当は帯に挟むのよ」「居住まいを正すのは、着物の上前を整えるのよ」と聞くと着物も着たくなるではありませんか。それで、普段着は母に教えてもらいましたが、それ以上は無理と言われて18だか19歳で着付け教室へ。

新卒で入った会社は華道部があり、ようやく生け花にも触れられました。着付け教室も講師免状を取るまでは続け、華道も免状を取り、会社の茶道部にも乞われて入部して……でも時を同じくしてバイクの免許を取ったり、海外旅行に行き出したりして、”和”だけでもありませんでしたが。

お茶も総合芸術だなと思います。作法、着物、陶芸、書、花、香……武家や文化人の嗜みであった頃は、相当の教養だったでしょう。

「そんなの知らなくても死なないしー」
と言われるとちょっと悲しいです。確かに死ぬことはありませんが、心は豊かになるのになぁ、と。

ま、ヒトはヒトです。
「せっかく日本に生まれたなら、一通りは体験したいよね~」
という人が周りには多く、そういう人たちと一緒にいるのが楽しいです。


そもそも、「入りにくい、とっつきにくい、難しそう」という意味で使われているらしい「敷居が高い」は誤用ですって。

#とは #敷居が高い #伝統芸能 #茶道 #華道 #着物

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