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「モヤモヤ」と「どっちもどっち」 武田砂鉄×竹田ダニエル

表参道の青山ブックセンターで、武田砂鉄と竹田ダニエルのトークイベントがあった。


ダニエル「モヤモヤという言葉が嫌いなんです。ちゃんとはっきり言って!と思っちゃいます」

砂鉄「あーー。そこには怒りだったり不安だったり不満だったり、いろんな感情が入り乱れているのに、『モヤモヤ』という言葉でまぶされちゃうと問題解決しないままで済まされてしまうってことですね」


すごく分かる!


私も長いこと生きているが、こんなに抽象的でズルい言葉はなかった。

自称『意識高い系』の人がよく発する。

「嫌い」「ムカつく」「不満」「納得できない」「許せない」等、いくらでも言葉はある。

それを言うと自分に不利益な反応があるかもしれない。
しかし何も言及しないのも『意識が低い』と思われないか不安だ。


そこで『モヤモヤする』と中途半端な言葉で流す。
もちろん解決に向かったり、考えたりすることもない。

私もそういう卑怯な言葉を使う人が苦手だ。

自分の気持ちくらい、自分で見つめろ!


それと同時に、私は「どっちもどっち」と言う人が嫌いだ。

例えば、鍵を掛け忘れた女性がいたとして、強姦強盗の被害に遭ってしまったとする。

そういう時「どっちもどっち」と言う人が必ず現れる。

おかしいだろ!?どっちもどっちじゃないよ!

「鍵を掛け忘れた」としても、「強姦強盗」する人の方が圧倒的に悪いだろ!?

極端な例かもしれないが、最近そういう人が増えている気がする。



ダニエル「最近、美容整形のステマが多い気がします。

自分の生活に余裕がなくて、視界が半径30センチしか見えてない人に
『普通の人でもみんな手術していますよ』と宣伝した結果、20代で二重手術、糸リフト6本とかが標準になっていることに危機感を覚えます。
何でそんな宣伝をするかというと、単純に儲かる人がいるからだと思うんですけど、あまりに美容整形がカジュアル化してしまっていますよね」


確かにそうだ。
私達はすぐに宣伝に乗ってしまう。

手術とは、体内に異物を入れたり、張り巡らされた神経を切断したりする、大変重いことだ。

芸能人のように人に見られる職業ならいざ知らず、一般人がカジュアル化して良いものではない。


砂鉄「人生はトライ&エラーを繰り返していくものですけど、この同調圧力の中でエラーばかり受けている人はどうなるの?と感じますね」

ダニエル「今、ウクライナやガザが戦禍ですけど、それを友達に言ったら『そんなこと言ったらキリないでしょ!?』と返されてしまったのがショックでした。

アメリカでも報道規制で、今何が起こっているかを知らない人が多いです」


砂鉄「日本でもひろゆきが辺野古基地反対の人を愚弄して問題になったことがありました。
それで炎上したんですが、驚くことにひろゆきに賛同した人がたくさんいたんですよね。

日本の音楽界も「神宮外苑の森を守れ!」と以前から運動が起きていましたが、もうやることが決定してからサザンが突然
『守った方がいいんじゃない?』というスタンスでイベントを開いた事は驚きましたね。

ええーー!?今更ーーー?と思いました。

『日本の音楽業界は関係者が多すぎる!』と以前ダニエルさんがおっしゃっていましたが、
『これをやりたい!』という本人より『いやあー、それを言ったらイメージダウンになっちゃうかも知れないからーー』という声が大きすぎて何となくありきたりな丸い表現になっていると感じます。」

ダニエル「そういう同調圧力はとても感じます。

『今ここで何を言っても変わらないかも知れないけど、それでも私はこの社会でこれを言った!』と思いたいです。

もしかしたら、それが私の生存方法かも知れないです」


私は体調不良でこのイベントに行くことを躊躇っていた。

しかし「この人が言ってる事が理解できる!」と思える体験は滅多にない。
「同意できる」と思える人もほぼいない。

みんな人の話なんか聞いていない。
視界が半径30センチしかない。

いつも孤独だ。


この世の中に、自分と似た考えの人がいると思い、とても勇気をもらった。

行って良かった。

ありがとうございました。










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