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アトピー性皮膚炎の亜鉛補充療法

重症のアトピー性皮膚炎では、血液中の亜鉛濃度の低下が知られています。

「アトピー性皮膚炎患者に対する亜鉛補充療法」という文献1)によると、
9歳から53歳のアトピー性皮膚炎患者33人に、1日45.5㎎の亜鉛を飲んでもらったところ、6か月後に30人が軽快したとのことです。

これ以外にも、亜鉛でアトピー性皮膚炎が良くなったという論文がいくつかあります。

ただし「アトピー性皮膚炎に対する亜鉛投与により高亜鉛血症, 低銅血症を来たした一例」という報告2)もあります。

この症例は、1歳5カ月から2歳4カ月まで、1日45㎎の亜鉛が投与と食事制限がされたため、発達の遅れや貧血、好中球減少をきたした症例です。

胃からの金属の吸収は「イス取りゲーム」と言われます。
亜鉛をたくさん摂ると鉄や銅の吸収が減ります。

亜鉛を大量に摂取する場合、血液検査で、亜鉛の濃度、貧血、好中球を調べたほうが無難です。

その点、食事から摂るのが安心、安全です。

毎日、納豆(1.9mg)に(1.3mg)をかけて、のり(3.7mg)を添えて食べましょう。
おかずは豚レバー(6.9mg)、飲み物は抹茶(6.3mg)、デザートにプロセスチーズ(3.2mg)はいかがでしょうか。
     ※( )内は亜鉛含有量

  1. 有沢祥子ら, アレルギー 49(2/3): 275-275, 2000.

  2. 杉浦時雄ら, 日本小児栄養消化器肝臓学会雑誌 18(suppl): 85-85, 2004.

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