「マジ筋トレ」を凌駕する「スロー筋トレ」
◆「ゆる筋トレ」 v.s. 「マジ筋トレ」
「筋トレは力強くしなければ効果がない」
この定説を覆す文献を紹介します。
運動経験のない若者を対象に、
太もも前の筋肉(大腿四頭筋)の筋トレをしてもらいました。
グループA(8名)には、最大パワーの50%の力で、
グループB(8名)には、最大パワーの80%の力で、
筋トレをしてもらいました。
筋トレを週3回行い、12週間後の大腿四頭筋の横断面積の増加を比較しました。
結果、50%の力の筋トレ群では、約0.6%の増加しかありませんでしたが、80%の力で筋トレをした群では、筋肉は4.3%も増加していました。
やはり、筋トレはゆるいのはダメで、
気合いを入れて力強くしなければならないことが分かります。
◆「マジ筋トレ」 v.s. 「スロー筋トレ」
この文献の興味深いところは、グループC(8名)に、
ある筋トレをしてもらったところ、5.4%もの筋肥大効果があった点です。
どんな筋トレをしてもらったのでしょうか。
最大パワーの90%の筋トレでしょうか。
正解は、スロー筋トレです。
力のかけ方は最大パワーの50%ですが、
3倍の時間をかけてゆっくり筋トレをしたのです。
筋トレは、強い力でやらなくても、
ゆっくりとやれば同様の効果が得られることが分かります。
◆高齢者に最適
ゆっくりした動きで思い出すのが太極拳です。
テレビのニュースで太極拳の動きを見て、
あんなにゆっくりで運動効果があるのかなと疑っていましたが、
DVDを買って実践してみると、以外と心地良かったのです。
まったりとしたスロー筋トレは、関節への負荷も少なく、
高齢者も安全に行えます。
参考文献
1)谷本道哉:「アンチエイジングのための運動の実技と実際」,『アンチエイジング医学の基礎と臨床 第3版』,メジカルビュー社,2015
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