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「パン」より「ご飯」

◆慢性炎症は老化と万病の元

最近、健康番組で「慢性炎症」という言葉が聞くことが多くなりました。
「慢性炎症」で細胞が傷つくことが、老化、心臓病、がん、認知症の原因であるという考えを「慢性炎症説」といいます。
炎症とは何でしょうか。

細胞から放出される「炎症性サイトカイン」によって炎症が引き起ります。
炎症の程度は、血液中のCRPの数値で知ることができます。

炎症を起こす原因の一つが「トランス脂肪酸」です。
トランス脂肪酸を多く摂るほど、血液中のCRPや炎症性サイトカイン濃度が高くなるというデータがあります。

◆ショートニングはトランス脂肪酸

「トランス脂肪酸」を含むものにショートニングがあります。
ショートニングは、多くのパンで使われています。
スーパーでパンの原材料を調べてみると、
すべてのパンにショートニングの記載がありました

「パンは控えめがいいですよ」と説明すると、多くの患者さんが驚きます。
まさかパンが体に悪いとは、思っていなかったのでしょう。

続いて、「食パンもですか?」の質問を受けます。
食パンにもショートニングが入っているので、良くないと思います。
菓子パンは、もっと良くないでしょう。

◆パンはやめられない、とまらない

たまにパンを食べるのは問題ありませんが、
パンには依存性がありそうです
パンは「やめられない、とまらない」の魔力というか魅力があります。

近くのスーパーで焼き立てパンを売っていますが、
近づくと何とも言えない、いい匂いがして買いた~くなります。

5種類のパンが350円で袋詰めされていますが、
閉店間際になると250円に値下げされます。
「これは買うしかない」と衝動買いし、
1つ食べ2つ食べすると、もう止まりません。
5つ食べつくして、胃がぐちゃぐちゃになり、
「しまったー」と後悔します。
適量ではやめれないのがパンではないでしょうか。

パンには麻薬が入っているのでしょうか。
食べ出すと止まらないので、
「見ない、近づかない、買わない」ようにしています。
(パン屋さん、ごめんなさい)

ショートニングを使用していない「こだわりパン」はよろしいかと思います。

やっぱり、「パン」より「ご飯」ではないでしょうか。

参考文献
松沢厚:「トランス脂肪酸による毒性発現の分子メカニズムと関連疾患の発症予防」,YAKUGAKU ZASSHI 141(5): 675-679, 2021

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