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ライターが案件に応募するときに、面談でなにを聞いたらいい?【質問項目9つをまとめてみた】

「ライター求人に応募したら、面談が決まった! でも、どんなことを話せばいい……?」

ライターとして仕事を探しているときに、お仕事によっては「選考のために面接をします」と言われることがあります。「え、ライターって書くだけが仕事じゃないの!?」と思うかもしれませんが、人気の案件では応募者も多いので、クライアントさんも面接・面談でライターを選んでいます。

慣れていると「当日はこれを聞こう!」と準備できるのですが、まだ経験が浅いうちは、そもそも何を聞いたらいいかわからない方もいらっしゃるかなと。

今回は、駆け出しライターさん向けに「面接・面談ではどんなことを聞いたらいいの?」というポイントを、私の経験ベースで紹介します。よかったら参考にしてみてくださいね。

(※面接でよくある「志望動機や自己PR」については触れていません。あくまで仕事に必要なことを聞くために、何を聞いたらいいか、という観点ですので、それでもOKな方はお読みください◎)

【はじめに】そもそもライターの面談とは?

まずは、ライターが「どんなときに面談するのか?」について。仕事がはじまる前段階では、次の3パターンがあります。

【①案件に応募したとき】
→選考のために面接があるパターン。
志望動機やこれまでの実績、書きたいテーマなどについて聞かれます。面接官は1~2人くらい。大手だと「3対1で面接」なんてことも。

【②スカウトされて自分が興味をもったとき】
→ある日突然SNSなどでスカウトメールが来て、「うちのメディアで書いてみませんか?」と声がかかった場合。どんな仕事なのか、ちょっと聞いてみようかなといったカジュアル面談です。

【③ライターとして採用が決まったとき】
→記事を書くまえに、顔合わせのために面談するパターン。
仕事内容の説明を聞いたり、ライター側から質問できる場です。ライターとディレクターで1対1のこともあれば、クライアント側の関係者全員(3~4人以上)とお話しすることも。

①の選考面接なら、かかる時間は1時間くらい(テストライティングがある場合は+執筆時間も)。②のカジュアル面談も、雑談をはさみつつ40分~1時間くらいがよくあるパターンです。

③の顔合わせ面談は、仕事のレクチャーや契約確認などがあるので、1時間~2時間ほどが目安に。「①選考面接」「②カジュアル面談」「③顔合わせ面談」いずれも、今はリモートでやることが多くなってきました。


さて、ここから本題です。

もし面接や面談をすることになったら、ライター側から「どんな質問をするといいのか?」「何を聞いたらいいのか?」。仕事の流れや執筆方法、納期、お金のことなどを9項目にまとめたので紹介しますね。

(お急ぎの方はわかる部分はスキップで、気になるところから拾い読みをしてください)


(1)お仕事の概要

まずは、お仕事の概要について。ここでは案件の全体像を掴むことが目的です。求人サイトや案件情報を見てわかっていればよいですが、もしわからなければ、こんなことを聞いてみましょう。

【お仕事概要についての質問】
・そもそもどんなお仕事で、何を目的にしているのか?
・どんなテーマで記事を書くのか?
・記事のターゲットは?(どんな人が読むのか?)
・書いた記事はどこに掲載されるのか?
・記名はできるか?
・ポートフォリオとして使ってもよいか?
・修正対応は必要か? など

クライアントさんからお仕事をいただく場合、面接も面談も、基本的にはクライアントさん主導で話が進みます。こうした概要をぜんぶまるっと教えてくれるケースもあれば、ライターが自分から聞かないとわからないことも多いです。

聞かないと知らないまま仕事をすることになるので、「こんなはずじゃなかった!」なんて後悔することにもなりかねません。面接・面談はクライアントと話ができるチャンスなので、「知りたいな」と思ったことはどんどん聞いてみましょう!

「まだライターとしてやっていけるか不安だ」という方は、いくつかライター募集を見比べてみることもおすすめ。どういった条件でライターさんたちが記事を書いているのか参考になりますよ。

(2)執筆形式

次に、執筆形式について。記事を書いていくために知っておくべきルールです。

1つの記事を書くために、どのようなフォーマットで書けばいいかを確認します。面接時に聞けば仕事のイメージがわきますし、すでに採用が決まっていれば「記事の品質」「修正回数」にかかわります。

【執筆形式についての質問】
・記事タイトルは必要か?
・見出しの数は?
・文字数は?
・画像は必要か?向きやモデルの指定は?
・必要なURLは?(例:商品リンク、参考サイトほか)
・執筆に使うツールは?(例:Word、Excel、Googleドキュメント) など

「どのような記事を書くのか?」については、もしメディアのお仕事であれば、そのメディアに掲載されている記事がお手本です。よく見ていただくと「見出しは4~5個くらいだな」「画像は2~3枚必要だ」「参考サイトが書いてあるな」と、だいたいのフォーマットはわかります。

作業範囲はお仕事によるので、自分がどこからどこまでやるのかは私も必ずチェックしています。とくに自分で見積もりを出すときは「何をやるのか?」によって作業量が変わって、請求したい金額も変わりますからね。

(3)納品方法

記事を書き終わったら、クライアントさんに記事を納品します。そのためには、納品方法も知っておかなければいけませんよね?

【納品方法についての質問】
・どんな方法で納品すればいいか?(例:メール、チャットツール、Googleドライブにアップロード、クラウドソーシングの機能を使う) など

もし使ったことのないツールを指定されたときは、素直に「はじめて使うのですが……」と伝えればOK。クライアントさんもそのつもりで教えてくださいます。お仕事開始までにツールに招待してもらったり、自分で登録したりして準備しておけば大丈夫です。

(4)報酬金額、報酬の受取方法

お金については、収入を得たい方であれば気になるところ。募集要項では、原稿料が「○○円~△△円以上(経験・スキルに応じて)」とぼかされていることもあるので、面接時に聞いておきましょう。

【報酬についての質問】
・1本あたりの報酬は?
・報酬の振込方法は?(例:銀行振込)
・報酬の締め日、支払日は?(原稿料がいつ支払われるか?)
・取材案件の場合、交通費がでるか? など

事前に説明がない限り、ライターの原稿料がどこかのタイミングで高くなる(報酬がランクアップする)ということはあまりありません。なので、お金まわりの条件については私もしっかり聞きますし、希望の金額もきちんと考えておきます。

とはいえ、こうしたお金の話は、とくに対面だとピリッとした空気になるもので。

そういうときは「事務的な話で恐縮なのですが……」とワンクッション入れると、自分も話しやすく、相手も聞き入れてもらいやすいですよ。

(5)納期、本数について

ライターのお仕事には、納期がつきもの。1記事だけ書く単発案件も、毎月書いていく継続案件も、どのような納期スパンになるのか確認します。

【納期や本数についての質問】
・初回の納期はいつ?(何日の何時までに?)
・継続案件の場合、毎月の最低納品数は?
・月にどれくらいの依頼がくるか?
・扶養内ではたらきたい場合、本数調整はできるか? など

初回は1本からスタートするのがコツです。その1本で「どれくらい時間がかかるのか?」と、だいたいの時間をはかってみてください。その作業時間が、あなたの今の執筆ペースです。

「1日で1本書けたから、今週は土日を使って2本書けるかな」といったように、スケジュールを立てられるようになります。慣れてきたら本数を増やせばOK。「仕事を受けすぎてパンクした!」っていうキャパオーバーも防げますよ(私の経験談より)。

(6)スケジュールの調整はできるか

事情があって「納期をズラす可能性もあるかも……?」という方もいらっしゃいますよね? たとえば、他の仕事との兼ね合いでスケジュールを調整したい方、ご家庭の事情などもきっとあると思います。

そういうときは、万が一のために「○○という事情があるのですが、どうしてもの場合、納期の調整はできますか?」と聞いておく方法もあります。ポイントは、理由を隠さずにしっかりと言うこと。

前提として、ライターの仕事では納期変更は「基本的にナシ」です。調整するには、クライアントさんに納得していただけるよう理由を伝えて、検討いただく必要があります。やさしいクライアントさんであれば、このあたりは柔軟に対応してくださいますよ。

(7)困ったときの連絡先

私もそうなのですが、フリーのライターは自宅でひとりで仕事をしています。なにか聞きたいことがあったときは「自分からクライアントに連絡をとる」ことが必要です。そこで、連絡先も聞いておきます。

【連絡先についての質問】
・何か聞きたいときは、誰宛に連絡すればいいか?
・どんな方法で連絡すればいいか?(例:チャットやメール) など

はじめての案件の場合、実際に書いてみると「このレギュレーションはどういう意味だろう……?」とわからないことも出てきます。

納期直前になって慌てて連絡先を聞くよりも、お仕事の開始前に「なにかあったら、どちらにご相談すればいいですか?」と確認できるとスムーズです◎

(8)契約について

契約については、私もこれまでのお仕事では「クラウドソーシングを使って契約」もしくは「クライアントさんと直接契約」でお仕事をしてきました。

契約の流れや中身に関しては、クライアントさんに直接聞くか、専門家の方に相談していただくことが一番です。ただ、ライター側も「契約ってどんなことをするんだろう?」というのは知っておいたほうがいいので、ここで軽く触れておきます。

【契約についての質問】
・契約方法はどのようになりますか?
・契約更新はどのような条件ですか?(例:3ヶ月ごとに更新) など

ちなみに、クラウドソーシングを使っている方(クラウドワークスの場合)は、契約画面が「業務委託契約書のかわり」です。秘密保持契約書(NDA)もサービス上で交わすことになります。

書類が必要になるのは、企業さんとの直接契約が主です。参考までに、厚労省の「在宅ワークの適正な実施のためのガイドライン」から「契約書の参考例」ものせておきますね。

企業さんと直接契約となると、その企業さんごとのやり方で契約書類の確認・提出を求められます。形式はそれぞれですが、やることは「契約内容を確認して、同意できたらサイン(できなければ交渉または契約しない)」です。

契約書についてすべてを説明することは難しいので、もう少し詳しく知りたい方は「ライター 業務委託契約書」で検索してみてくださいね。

(9)取材に関わること

取材をおこなう場合は、取材先についてや日時、インタビュー方法などを確認します。

【取材についての質問】
・どんな人(または企業や場所)に取材するのか?
・取材の方法は?(現地訪問、電話、メール、リモート)
・取材日はいつ頃か?かかる時間は?
・アポ取りは必要か?
・写真撮影はどうすればいいか? など

私も勉強中なのですが、はじめてのお仕事では「参考までに、どのようなインタビューをされていますか?」「こういうことは必ず聞いてほしい、というポイントはありますか?」など、インタビュー内容についてよくご相談しています。

インタビュー時の質問項目はライター側が考えることで、私も過去の記事や取材先の情報をよく調べて準備するのですが、的はずれな質問をしてしまうのはよくないですからね(記事の中身にも関わってきますので)。

ディレクターさん・編集者さんが取材に同席しているお仕事もあるので、「どんなことをやっていますか?」と教えていただくことも、良い記事を届けるためにできることだと思ってやっています。

【奥の手】私がよくやる「これは聞きたい!」質問3つ

実際のライター面接や面談の場で、私だったら「こういう質問をしています!」という切り口が3つあります。これはこっそり教えたい奥の手(笑)でもあるのですが、1つずつご紹介しますね。

■質問その1■
「実際に記事を書くときに、なにか気をつけたほうがいいことって、ありますか?」

これは初めて参加する案件で、必ず聞いている質問です。これがわかると、セルフ添削ができるようになります。

別の聞き方をすると「ほかのライターさんが間違えやすいところは、どこですか?」です。自分も間違えたり見逃す可能性が高いですからね。

レギュレーションには書かれていない「編集・チェッカー目線での注意点」を知ることで、原稿の精度を上げて、修正依頼をへらすことができます。


■質問その2■
「お仕事が始まる前に、見ておいたほうがいいサイトや参考資料、書籍はありますか?」

これは面接でも面談でも、とくに初めてチャレンジするジャンルでよく聞く質問です。お仕事が始まるまでに時間があれば、そのあいだに「情報収集しておこう」作戦ですね。

クライアントさんによっては、カタログやパンフレットをくださったり、推奨書籍、参考サイトを教えてもらえます。自力で調べることが難しい業界知識を得られる方法なので、専門性を深めたいライターさんにはぜひやってほしいです。


■質問その3■
「差し支えなければ伺いたいのですが、ほかにどんなライターさんが書いていらっしゃいますか?」

これは応募時に、どんな案件なのかを知るための質問です。これを聞くと、そのメディアやライターチームの温度感がわかります。

ライターのお仕事に限らず、転職活動などをするときも「この会社にはどんな人が働いているのかな」って気になりますよね? 職場の雰囲気がわかりますからね。

それと同じで、ライターの仕事でも「主婦・主夫の方が多いですよ」とか「未経験から頑張ってくれている方もいますよ」と教えてもらえると、グッと親近感がわきます。「ここでならやれそう、やってみたい!」と興味が湧いて、やる気にも繋がります。

逆に、自分とはまったく違う人たちが多いと「……もしかして、やりたいこととは違うのかも?」と一回考える材料にはなります。本当にそのお仕事をやりたければ気にしなくていいとは思いますが、クライアントさんとの相性が気になる方には、一度試してみてほしいテクニックです。


【まとめ】ライターが面談に挑むときのコツは?

最後に、ライターが面接・面談をうけるときのコツもお伝えします!

案件に応募するときの面接ならば、「ぜひこの仕事をやりたいです!」とアピールしましょう。表情は明るくにこやかに。

そして、面接・面談のどちらにも言えることなのですが、「まあ、なんとかなるだろう」と考えるよりも、もうすでにライターとしての仕事がはじまっている意識を持つといい、ということ。

私も以前に、とあるクライアントさんとの面談で「今日はこの場で、聞けることは全部聞くつもりで帰ってください」と言われたことがあります。そのときに内心ハッとしました。「そうだ、面談はライターにとってインプットの場なんだ!」と。文章を書くことだけが、ライターの仕事じゃないんです。

面接や面談は、せっかくクライアントから直々に教われる場なので、気になることは「すぐに聞く」。一度聞けば、その後は悩まなくてよいので判断が早くなります。目の前のお仕事はもちろん、別のお仕事をするときにも経験が活きてきますよ。

聞くときのコツとしては、「○○のところがちょっとわからないのですが……」と、自分の思ったことを伝えつつ、教えていただくスタンスをとること。インプットの場であると同時に、コミュニケーションの場でもあるので、クライアントさんと距離を縮めることもできます。そういうお仕事ができると、きっと楽しいはずなので。


長くなりましたが、今回はここまで。

案件への応募については、これまでのnoteでも取り上げています。お仕事を探している方は、よかったら参考にしてください◎


・スカウトメールをもらったときの対応法

・ライターの仕事の探し方

・トライアルに落ちる理由&対策


【あとがき】

本当に今回のnoteは長くなりました。これで7,000字くらいあります。自分で書いていても「長いな……」と削りまくったので、まだ言えることはあるかもしれません。それはぜひ、これからライターとして書こうとしている皆さんご自身の目で確かめていただきたいです!

そして、フォロワーの皆さまにも「新しいnoteを書いています」と予告してからだいぶお待たせしてしまいました。待ってくださって、本当にありがとうございます。

さすがに「あのクライアントは~」みたいな話はできないのですが、面接・面談はライターの仕事でも通過儀礼みたいなものなので、このnoteで1つでも持ち帰れるものがあると嬉しいです。

私もこのnoteを書きながら、あんな面談やこんな面談を思い出しました。悔しかった10年前のあの日の面談も、今となっては良い思い出です。



noteを読んでくださり有難うございます!創ることを通して、今を生きる人の力になるコンテンツを届けることが私の喜びです。