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風立ちぬ

風立ちぬ 1938(昭和13)
堀辰雄 1904〜1953

新選名著復刻全集 近代文学館

堀辰雄 34歳。

白を基調とした上品で美しい本。非常に丁寧な作りで製本されています。色は白と茶、背表紙の表題はゴールド。

茶色のマーブル柄が際立っています

自身も病を抱えながら婚約者とともに長野県の療養所に入院、のちに婚約者は死去。「風立ちぬ」はそのときの体験に基づいて書かれています。

小さめの字がどこか繊細でピュアな感じ

Le vent se lève, il faut tenter de vivre
PAUL VALERY

ポール・ヴァレリーの詩、「海辺の墓地」より。

風立ちぬ、いざ生きめやも。

「風立ちぬ」P41

生きなくてはいけない。という意味だそうです。

ただ私が感じたのは「生きてみようかなぁ」のほうがなんとなくしっくりくる。当時の結核は不治の病。堀自身が長年の病に苦しめられ・・そこまでポジティブになれるのだろうかと・・。

ページ下にかなりの空白〜想像力UP

著者 堀辰雄
発行所 野田書房

長年にわたる病と療養生活を繰り返しながらも執筆活動を続け、1953年49歳でこの世を去りました。

・・・

「聖家族」同様、白基調でとても美しい本。限られた時間を大切に生きていきたい。。

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