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勝手に助かっただけ

とある小説・アニメーション作品のセリフには
タイトルに付けたセリフがあります。

このシリーズでは、登場人物がそれぞれ、様々な問題を抱えています。
ほとんどはその原因が精神的なモノなのですが、
キャラクターは主人公などと協力し、試練といってもいいほどの
残酷な現実に立ち向かっていきます。

そこに登場するのが「怪異」です。
弱っているキャラクターが偶然(あるいは必然なのかもしれません)
その怪異に出会ってしまい
運悪く体を乗っ取られてしまったり、
いいようにつけこまれ、自分に都合のいいことが起きた半面
大きな代償を払う結果となってしまいます。


いつのまにか怪異という存在に
「つけこまれてる」のかもしれませんね。

この作品、最初の作品は10年ほど前にアニメーションとして
放送されていたようですが、それからもかなり人気を博し
最近(2023年1月26日現在)になって
新作のアニメーションが制作されることになったとか。

それほど人気なのは
もちろん作品そのものがとても面白いということでしょうが
意外と、現代を生きる人々に訴えかけるものが
あるからかもしれません。


ここ最近は何かと心の病気となってしまう方が多いそうですね。

特に仕事を通してうつ病や適応障害などの精神的な病になってしまう方
はかなり多いとか。
日常生活における人間関係、仕事などでもストレスが蓄積され、
その影響が身体にも表れるてしまうということでしょう。


現代社会ではストレッサーやプレッシャーが日常的に蔓延し、
これが個々のメンタルヘルスに深刻な影響を与えているのでしょう。

特にSNSなどが発達して
他人の生活を垣間見ることができているわけですからね。
他人と比べて気分がブルーになってしまうこともあるでしょう。

そんな中で
ストレスの原因を取り除いてくれる……
あるいはそれを押し付けることができる
そんな都合のいい怪異なんかが現れてしまったら
頼ってしまうのも無理はないかもしれません。

だからこそ、このシリーズはとても惹きつけられるのかもしれません。

怪異や不可解な現象が物語に絡むことで
登場人物が直面する不自然な出来事や未知の存在が
キャラクター心にさらなる影響を与え、
精神的な均衡を乱す要因となります。

どのような状況に直面するか分からないこともそうですが
この泥沼にハマっていく過程に
どこがグイグイ引き寄せられてしまうのかもしれませんね。


そんなキャラクターが(そして主人公自身も!)
そんな現状を打破しようとする場合

主人公はタイトルに付けたセリフを発します。

手助けしたキャラクターが主人公にお礼を言う場合などに
このように返すのです。


お前が勝手に助かっただけ。ボクはなにもしていない。


既にふれているように
ほとんどの場合、登場人物が問題を引き起こします。
そこに怪異という不可解な存在が絡んで
より問題が複雑になっているわけです。

それも自分から積極的に怪異に助けを求めている場合も
ありますから
主人公の言葉を借りるのであれば「自業自得」です。

何らかの手助けは入るものの
結局はそれをキッカケに
キャラクターがキャラクター自身と向き合い
大抵の場合、何らかのかたちで決着がつきます。


私たちも自分と向き合い、理解し、大切にすることが大事……
ということでしょうか。


何もかもを得体のしれない怪異か何かのせいにするのは
とっても簡単ですし精神的にも楽かもしれません。

でもそれじゃあロクなことにならない……

あるいは……

そんなちっぽけなことで
勝手に悩んで、苦しんで……
いつのまにか勝手に助かって……

他人からはそう見えている……


ということなんでしょうか?


※画像はみんなのフォトギャラリーからお借りしました。

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