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絵本専門士ツアー『絵本製本の清美堂』


ある時、Twitter で絵本作家 の方々が 絵本製本の清美堂さんに見学に行かれている様子を見つけました。

これは行きたい!絵本ができるまでを見てみたい!

絵本専門士の資格取得にあたり、絵本の制作過程は学びますが、それを実際にこの目で見ることはなかなかできることではありません。
もし機会があるのならば、現場を見たい。そして、きっと他の絵本専門士の人たちも見たいはずと信じ、思い立ったが吉日と清美堂さんにご連絡しました。

日程を相談の上、引き受けてくださるとの快いお返事をいただきました。
早速絵本専門士の皆に連絡したところ…なんと1日絶たずに定員。
そのあと、また定員を増やしていただき、最終的に14名での訪問と決まりました。

私が清美堂さんからさほど離れていないため、初めはかなり気軽なお誘いでした。しかし、絵本専門士は全国に散らばっています。
蓋を開けてみれば 四国や 九州からいらっしゃる方もいてかなり 壮大な ツアーになりました。

午前中は、ばっちりと楽しい ツアーがあったのですがそれはまた後で書くとして、前置きが長くなりました。今日は午後からの絵本製本工場見学について報告したいと思います。

こちらは、主に福音館書店の絵本を製本行っています。
みなさんも、一度は手にしたことある「ぐりとぐら」や「くだもの」、「ねないこだれだ」など、あの本も、この本も、みんなここで出来上がっています。

「ふみきりくん」がた~くさん。

これらの本。どこの学校に行っても、たくさん手に取られた色をしているのですが、本自体は綺麗なのです。予算の渋い学校図書館では、生涯現役扱いで選手生命が長いのが特徴だと思っていたのですが、この秘密は、この清美堂での製本にあったのだ!とわかった一日でした。

夏の日差しにも負けない 秋田社長の熱い説明

製本の種類、紙の性質、糊の役割、厚紙の目…それぞれに意味やこだわりがあります。この絵本を毎日たくさん読んでも大丈夫なように、細やかな工夫がされています。
それぞれの寸法も、1mmの違いで全く違うものになってしまうこと。
その日の気温や湿度でもやり方が変わってくること。
それらは、全てこの中で行われている職人技で成り立っているのです。
実際、7年の実務経験と技の修練で、製本一級技能士の国家資格を持った方がたくさん在籍されています。

社員さんはどんどん技能士の国家資格にチャレンジしています

運ぶ、揃える、縫う、折る、貼る…社員全員がプロフェッショナルの誇りを持っていると感じられ、皆さんの姿を見ていたら、かっこいいなと、感動して泣きたくなってしまったのは、ホントの話。

揃えて切る。ミスが許されない工程を守るのは工場長。
帳合いする機械。この小さな画面で、間違いのチェックがされている。
細やかな裁断も。
縫いの機械。どの機会もオリジナルの工夫がある。
細かい糸カット。手作業工程もたくさんある。
表紙を作る機械。
プレス!2トン。1冊でも可不足があると、プレス感が変わってしまう。
なんと、全品検品で出荷されています。梱包も早い!

全ての工程の説明を非常に丁寧にしていただいた、社長の秋田様、ご担当の東間様。今までで一番多かったという絵本専門士たちの質問にも丁寧にすべて答えていただきました。

秋田社長 ありがとうございました。
様々なご対応ありがとうございました 東間様

そして、大勢で伺ったにも関わらず、みなさんが笑顔で迎えてくれるアットホームさに嬉しくなりました。

全ての工程を見終え、改めて本を大切に読んでいこうと思いました。そして、このようにたくさんの人が手をかけ、大事に作り上げた本を、絵本専門士として、多くの人に手渡していきたいと思います。

そして、まず、今年は学校のぐりとぐらシリーズを一新!と心に決めたのでした。

ありがとうございました!

















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