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市民大学 BIBLIO NOVA

ここ数年連続でお仕事をいただいている市民大学。
今年も 絵本講座をお願いしますとのご依頼があり、喜んで引き受けました。

今回は、昨年よりはコミュニケーションをとることに抵抗が少なくなってきたということで、前回よりコミュニケーションを少し取る方向で、内容を考えてみることにしました。

積読ビブリオバトルを是非ここで

X(旧Twitter)で、私が時々やっている「積読ビブオバトル」という企画があります。
これは、積読をしていて、まだ1ページも読んでいない本について、「こんなところに興味があって買った」「こんな話だと思う」「こういう所がとても楽しみ」などという内容を語るものです。そして、ぜひバトラーに読んで欲しい本にリスナーが投票するという、ちょっと変わったビブリオバトルです。
不定期で開催しているのですが、これがなかなか面白くて、チャンプになろうがなるまいが、結局全部読んでみたくなってしまうのです。

普段はフォロワーの関係から、司書が参戦することが多いのですが、きっと一般の人とやっても面白くなると思っていて、ぜひやってみたかったのです。

初見、即興でやるには

今回、この機だとばかり、市民大学でやってみることにしました。
とはいえ この内容を説明して、積読本を持ってきてもらうということはハードルが高くなりすぎます。何か方法はないだろうかと考えました。
講座名も 絵本を冠にしているため、絵本を使わないというのも違います。

散々考えた末、初見の絵本でこれをやってもらおうと思い立ったのです。

今回、全体テーマとして「ナンセンス絵本」を特集することになっていたので、それも絡めて、用意した絵本はナンセンス絵本ばかり。
まずは、「ナンセンスってなあに?」からはじまって、読み聞かせをしたり、小さなワークシートに色々書いてもらったりしました。
実は、この導入が、メインのワークにつながっていくようになっているのですが、ここではまだみなさんちょっとモジモジです。

こちらのワークもおもしろいのですが、また これは いつかおはなしすることにします。
私が作るWSは、最初のトークや、導入、小さなきっかけをいっぱいちりばめておくようにしています。メインに行くまで、気づかず小さな段差を越えていて、最後はみんなでジャンプできる。一人も取り残さないWSのコツだと思っています。

さあやってみよう

各テーブルごとに1冊ずつ、初見の絵本を置きます。
本は一切開きません。
ヒントになるのは装幀・タイトル・表紙・裏表紙・作者・出版社ぐらい。

それらをひとつひとつ丁寧に確認していくワークシートを作成してあるので、みなさんはどんどんシートを埋めていきます。
タイトル、作者などを機械的に書き写す作業から、少しづつ思考を伴う作業に入っていくワークシートになっています。徐々に行くので、イメージもしやすそうで、皆さん筆が進んでいました。

2人で1冊を使うことにより、こちらが何も言わなくても、話し合いが生まれます。
「ここは、犬がいますよね。」
「え?この黒い影?…あ、本当だ。俺は気づかなかったなあ。」

「これ絵じゃない?」
「ああ、これ、毛糸なんだ。毛糸貼ってあるのねえ。」

「まって、私はわかったかもしれない。あの煙突にほら」
「O・NA・R……あー!!!!わかったわかったよ。おれも当てちゃう。」

流れとしては、
ワークシート完成後、みんなでその本の外見を検証します。
そして、考えた物語を発表してももらいます。
それから、やっと読み聞かせです。

集中力格段の差

「この展開は自分は考えたものに似ている」「 思ってたのと全然違う」 や「私の書いた方のが面白い」 など様々な感想が出てきます。
ただ聞くのではなく 自分たちの考えたものと比べようとするので、 読み聞かせを聞いている間集中力も普段より上がっていると感じました。
食い入るように大人たちが見つめている。さらに、「 あー!!」とか「おーー!」とか歓声を漏らしながら、目をキラキラさせて聞いている様子は本当に嬉しかったです。

ワークシートをもう少し練り上げながら、是非また他のところでもやってみたいと思っています。
対象年齢は字の書ける子ども生から大人まで

積読ではないので「BIBLIO NOVA」というネーミングはいかがでしょう?
NOVAは、生まれ変わるとか、爆誕!みたいな意味です。

今回も大変楽しいワーク となりました 次は何やろうかな


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