短歌十二首 【2023年12月まとめ】
澄み昇る月かげ木の間のあはひより冬に磨かるる君をぞ照らさむ
独り立ちして思い知ることがある きつねうどんの透きとおるだし
星屑にまぎれたまま生きてきたのに射手が狙いし紅き心臓
喪った恋を引きずる 板チョコに齧りついたらあふれる甘み
いつの間に似てきたのだろう弟の背恰好に父の面影
不確かなことほど心を締めつけて眠りを浅くする冬木立
イヤフォンで聞くきみの声しらしらと解けない魔法のように降る雪
そうだわたし、泣きたかった ステーキを食みツンときた粗挽き胡椒
何も得ぬ人生だと思いたくないから北限を目指して歩く
何にでもレスやロスが付きまとい抜けなくなった結婚指輪
台形の面積求める公式を唱えるように募る恋心
十数年捨てられぬ思い出を預けたSPARの跡地のトランクルーム
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