夕方銭湯の脱衣所で着替えていると、常連客と思われる男性が、「浜松に野球見に行ってきて、これその時のお土産」と、番台のおじさんに大きなビニール袋を渡している会話が聞こえてきた。
　突然聞こえてきた「浜松」という言葉に、浜松出身の私の心は動いた。
　浜松ってどっちの浜松だろう。
　私は静岡の浜松の出身だが、東京にも浜松町という地名があったはず。
　もし静岡の浜松に野球を見に行ったのだとしたら、浜松には市営球場がある。私も子どもの頃２度ほど行ったことがあった。しかし東京の浜松町にも球場はあるかもしれないし…。

　そうだ、お土産の中身を知れたら、どっちの浜松か分かるかもしれない。
　静岡の浜松のお土産といえば、うなぎパイが有名だろう。
　きっとお土産の中身はうなぎパイかもしれない。
　そう思いながら、番台のおじさんとその奥様の話を聞いていると、お土産の中身はうなぎパイではなく、ぬれ煎餅であることが分かった。
　なるほどー、ぬれ煎餅かー。
　ぬれ煎餅といえば、１番最初に入った作業所の先輩が買ってきてくれて、作業終わりのお茶の時間に皆で食べたことがあったが、かなり美味しかったことを思い出した。

　ということで、銭湯の常連客の男性が野球を見に行った浜松は、やはり静岡の浜松だったようだ。
　浜松に行ったお土産に、うなぎパイではなくぬれ煎餅を買ってきたところに、ディープな浜松愛を勝手に感じてしまった瞬間でもあった。
　このように浜松にはうなぎパイの他にも、美味しいお土産がたくさんあるので、ぜひ１度遊びに行ってみてほしい。もうすぐ大きな凧が上る浜松祭りも始まるし。♪