幸福度を上げる「コミュニティ」の選び方と作り方
学校や家庭の窮屈さを感じていた不登校時代。
そんな経験がきっかけとなって教師になり、ますます「第3の居場所」の必要性を感じて「ピースカフェ」という拠点を立ち上げました。
もちろん、「ピースカフェ」の活動はまだまだスタートしたばかり。
しかし、チャレンジしてみて分かったことは数知れず。
そんな経験と集めた知識を基に「コミュニティづくりって、ここが大切なのね」という情報をここに書き留めます。
最近になって「コミュニティの大切さ」と共に「孤独の怖さ」も叫ばれつつあります。
確かに、「孤独感に襲われると幸福度だけでなく、健康さえも損なう」という研究結果が多数報告されています。
だからと言って、「どんなコミュニティでもいいから取り敢えず所属しておけ!」というのも乱暴すぎ。
実は、孤独の本当の怖さは、「孤独だと感じる心」にあります。
周囲の人から見て、「あの人は、いつも友達に囲まれているよね~」と思われていても肝心の本人が「誰も自分のことを理解してくれていない…」なんて思っていたら、それは「孤独な人」確定になる訳で。
だからこそ、自分に合ったコミュニティを見つけ、自分に合った人間関係を築くことが必要なのです。
そんなヒントとなる情報をまとめましたので、ぜひとも、読んでみてくださいね。
▼幸福度を上げる「コミュニティ」の条件とは
大前提として押さえておきたい考え方は、
ということ。
人間が他の生物よりも優れているのは、「関係性を深める力」であると言われています。
もちろん、他の動物も「いざ!」という時には力を合わせ、助け合う場合もあるでしょう。
ただ、僕たち人間は「いざ!」という時だけでなく、通常時でも常に関係性を意識しながら生きているのです。
だからこそ、人間関係は幸福度に直結する。
さて、前提を抑えたところで、早速「コミュニティ」の話にいきましょう。
ずばり、コミュニティを選択する際に最も大切になってくるポイントは、
にあります。
分かりやすいのが、テニス、囲碁、バイクというような趣味を対象にしたコミュニティ。
これらは、同じ趣味・嗜好を楽しむために集まっているため、初めから目的を共有しているはずです。
さらに、子ども食堂とか無料塾なんてのも、子どもたちに対して何をするのかが大きくブレません。
このように、「初めから活動内容やゴールが明確になっているコミュニティ」は、自分が抱いた目的と合致し、そこにいる人たちは、同じような目的で活動しているので、きっと仲良くなれるはず。
細かい部分は活動を進めていく上で修正していく必要はあるでしょう。
ただ、「どのような目的を達成するために集まっているのか」という軸は、ブレないようにする必要があるのです。
▼コミュニティ運営で意識すべきこと
コミュニティを継続するための最低条件を押さえたところで、ここからは細かい情報をいくつか紹介します。
まずは、コミュニティメンバーの満足度に関すること。
「共通の目的を果たすために活動に参加している!」と思ってもらっている時点できっと活動への満足度は高いはずなのですが、さらに満足度を計る視点を紹介すると、
「活動への参加率」
という視点は欠かせません。
もちろん、参加率が高いほど、その活動に対して満足していると判断して間違いないでしょう。
しかし、参加率の高くないメンバーがいたとしたら、何かしら活動へ足が向かない理由があるかもしれません。
そのメンバーの気持ちは話を聴いてみないと分かりませんが、理由の1つとして「活動参加者の人数」は、視点としてもっておいて損はないはず。
というのも、組織心理学者のアラン・ウィッカーさんが「組織の大きさと機能効率」について教会の活動について調べたところ、
ということが分かったのです。
#宗教の起源
どうやら、「教会の規模と所属信者の満足度と定着度は、負の関係にある」というのです。
その理由の一つとして、「大規模な教会になればなるほど、対外的な活動に重点を置きがち」とか。
あくまでも、コミュニティの主役は、自分たち。
「そのコミュニティを自分の居場所だと感じて頻繁に利用してくれる人たちの満足度を上げる」ということは見失ってはいけないのでしょう。
▼コミュニティをより良くするための「規範行動」とは
続いて、「コミュニティをより良くしていく」という視点で見逃すことはできない「規範行動」について紹介します。
「規範行動」というのは、そのコミュニティにとって大切にすべき具体的な行動としておきましょう。
きっと、コミュニティの目的によって「規範行動」も違ってくると思いますが、コミュニティの基本として大切なのは、
「互いに助け合う」
ということでしょう。
「何を改まって当たり前のことを…」と思うかもしれませんが、意識せずに活動をがつがつ進めていくと、活動の規模が大きくなると比例して、人間関係がぐちゃぐちゃしてくるなんてのは”あるある”なのです。
だからこそ、どのコミュニティでも、「助け合う」という人間として基本的なより良い行動を当たり前にできることは、コミュニティをより良くしていくためには欠かせません。
そして、そんな「助け合い文化」をコミュニティ内に育てるためにもってこいの実験を紹介します。
ジェームズ・ファウラーさんとニック・クリスタキスさんは、
ことを発見しました。
人間は誰しも「不慣れな場所に行くと、他の人のふりを見て、その集団にふさわしい人間であろうとする」という特性があります。
ということは、「助け合う文化によって運営されているコミュニティ」であれば、後から入ってきた人は必ずや「助け合える人」になるはず。
しかし、ファウラーさんの発見はこの想像を超えていました。
なんと、
と、報告しているのです。
#GIVE&TAKE
どうやら、コミュニティ内に「人のために行動できる人」がいることによって、「自分も誰かのために!」と積極的に貢献しようとする人は、末広がりに増えていくみたい。
ぜひとも、コミュニティの運営側としても、参加者としても、意識的に「与える行動」をしたいものですね。
▼まとめ
本記事では、「自分のコミュニティを見つけるために覚えておきたい視点」を紹介しました。
もちろん、学校や会社でも使える知識です。
ぜひとも、自分の人生の幸福度を上げるために意識してみてくださいね。
いただいたサポートは、地域の「居場所」へ寄付させていただきます!