ぼおっとアニメを見ていたら、「有意義な夏休みを過ごしてくださいね」というセリフが出てきた。
別に気に留めるほどめずらしいことではなく、どちらかというと「ありふれた」というか、終業式のセリフテンプレであり、学生であった頃は「今日も良い天気ですね」くらいの、あんまり意味のない言葉だと思っていた。

画面の中の女子高生たちは「なにして遊ぼう」と騒ぐ子がふたり
「塾に行くからあんまり遊べないよ」という子がひとり
これもよくある展開で、なんとなくだけれど、「なにして遊ぼう」の子がちゃらんぽらんで、「塾に行く子」が真面目な優等生キャラで描かれている。
現実世界もそんなもんだっけ？
いや、わたしの知っている現実には「塾に行くから遊べない」という子は、あんまりいなかった気もするけれど。

塾に行く子は、塾に通いながら将来を悩んでいる。
そしてその姿こそが、わたしたちの掛けられた呪い「有意義な夏休み」であることに気がついた。

夏休みは有意義に、勉強をしたり、将来に繋がるアクションをすべし。
みたいなことが正しい、と勝手に思い込んでいた。
だから、寝たり遊んだりしまくっていた夏休みっていうのは有意義の真逆で、実際に夏休みに何をしていたかほとんど覚えていない。
もちろん、宿題も後回し
っていうか、ゆとり教育の世代なので、宿題もそんなになかった気がするけれど。

おとなになった今、ハッキリと断言したいことがある。
夏休みって、有意義じゃなくてもいい。
むしろ人生そのものとか、日々が有意義である必要ですらないと思う。
人生はハードモードだから、必要以上に頑張る必要はない。
命の炎を燃やしすぎてはならない。

ちなみに見ていたアニメは「ラーメン大好き小泉さん」で、
女子高生でラーメン好きな小泉さんが、延々とラーメンを食べるっていう話なんだけど
夏休みの小泉さんも、やっぱりラーメンを食べていた。

「小泉さんは、ラーメンの道に進みたくて、こうやってラーメンの研究をしているんだね！」なんて言われても、真顔で「いえ違います」と答える。
彼女はただ好きで、ラーメンを食べている。

あなたから見て、
小泉さんの夏休みは、「有意義」だろうか？

わたしたちが学生の夏休みにすべきことって、「有意義に過ごすこと」じゃなくて、「何が自分にとって有意義か」を考えることだった。と、いまになって思う。
人生を、どう燃やしてゆくことを望んでゆくか。
わたしはいまも、その答えにたどり着いていない。

っていうか、有意義ってどういう意味だろうと思って調べてみた。

すまんけどよくわからん。

じゃあ、「意義」ってなんだ？

「有意義」に関しては、（１）が当てはまりそうだけど
「存在理由」っていうならば、小泉さんの存在理由はラーメンだから、小泉さんの夏休みってめっちゃ有意義なのでは？

若者よ
そして、「有意義な夏休み」の呪いを受けた同士たちよ

ラーメンが好きなら、ラーメンを食ってくれ。
食いたいだけ食えばいい。病気には気をつけて

ありがちな罠があって、「ラーメンを食べるのが好きすぎて、作ることも”極めるべき”だ」と考えてしまうパターン。
いやいや、食うのが好きなら一生食ってろ。
別に料理はできなくてもいい。
そんな完璧主義で全部網羅しようとするな、それも呪いだから。
ちなみに、小泉さんも自分でラーメン作ると失敗するって言ってたぞ。

若者よ、そして同士よ。
胸を張れ。
食いたいなら食え。
食いたいものがわからないなら、無理して食わなくていい。

呪いを受けた人ほど「自分には好きなものがなくて」「毎日を無駄に過ごして」と言って落ち込んだりするけれど
好きなモノって降ってこないから
イヤじゃないことを幾つかしてゆけばいいと思う。
それも難しいならば、何がイヤじゃないか確かめるだけでいい。
その中で気になるものを、少しずつ吸収して欲しい。
小泉さんだって、生まれたときからラーメンを愛していたわけじゃなくて、きっとどこかで最初の一杯があって、そのときは無知で、少しずつ「ラーメン大好き小泉さん」になったんだと思う。
だからどうか「小泉さんみたいにラーメンに詳しくないし…」と落ち込まないで欲しい。

わたしはそうやって千回ほど落ち込んできたけど、落ち込んだことに生産的な意味はなかった。
でも、意味がないことを学んだ。
あと、大学時代はほとんど寝て過ごしたんだけど、「寝るのは好きだが、気持ちも体力もそれほど満たされることはなかった」というのも履修済みだ。
そう思えば、寝て過ぎした学生偉大にも意味はある。
意義じゃないかもしれないけれど。
有意義じゃないかもしれないけれど。
無意義だとは言わせない。

小泉さんにとってのラーメンみたいなものが
いま、あなたの手元になくても、別に生きていれば100点だし
幸福に思う刹那があれば、生きてゆけると思う。

もし見つけたいならば、「やりたいことを探す」っていうのを「今やりたいこと」に設定でもしておいて欲しい。
このあいだ「趣味は自分探し」っていうひとに会って感動した。
「自分探し」は卒業しなければいけないと思っていたけれど、これも勝手な呪いだった。
何がやりたいかわからないって、わたしも今でもわからないから毎日書いてる。
毎日書いてたら、「あ、書くこと好きかもしれない」って思った。
最初からめっちゃ好きだったわけじゃない。
書き続けてみたら、他のこと（ピアノとかしゃべることとか、SNS頑張ることとか。他の好きだと思っていたこととか、すべきこと）より好きだったなあ。っていう自分を掘り当てた。

ちょっと話が逸れたけど、有意義に過ごそうとしなくていい。
っていうか、「何が自分にとって有意義か」決めていい。

わたしはこれから、寝ようかゲームしようか迷っている。
どちらを選ぶと有意義だと思う？
わたしは、どっちも悪くないと思っている。
ただ、マリオRPGの続きが気になるだけで

▼Amazonプライムでは見れなかったので、DVDのリンク貼ります
わたしはdアニメで見ました

▼マリオRPGの続きは知ってるんだけどね、リアタイしてたから…
はやくマロを国に返してやりたい
そして、キノコフスキー先生と一緒に超大作を作りたい

▼わたしは人生を”燃やす”のではなく”流す”生き方のほうが適しているというのも、最近になって気がついた