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ハパ
2024年3月29日 12:16
鼻先にREPLICAをひと吹きする。十分には液体を含まない管から、やる気なく香りの粒がとんだ。それぞれが花火の散り際のように机やパジャマや床に降りていく。香りは記憶を呼び起こすというけれど、とくに何も感じない。これは私の香り。いつかDiorのソバージュの香りとすれ違ったら、私は立ち止まって振り返るのだろうか。かすかに共有した日常の燃え殻には、もう火がつかないことを悟るのだろうか。