行政でデザイン思考をどう導入するか

『行政&情報システム』の6月号、完読。特集がデザイン思考の実践で、表紙のクリスチャン・ベンソンを見た時から胸は高鳴っていたんだけれども、予想を上回る興味深い記事がたくさんあった。行政でどのようにデザイン思考やデザイン的な考え方を導入するか、どのように市民視線の行政サービスを構築していくか、どのようにITやAIを活用していくかなどに関わっている人たちは絶対読んだ方がいい。

巻頭の「デザイン思考の実践」の若林氏とベンソン氏の対談は、その後の記事のとてもわかりやすい前振りになっていた。私は今だから正直に言うとクリスチャン・ベンソンが苦手だった。ただ、最近、ようやく少しわかるようになってきた気がする。デンマークにいる特権(?)で、いろんな会議や会合でトークを聞く機会があったのだけれども、私が苦手だったのは、彼のプレゼンは、単に話すのが上手なスマート・ビジネスマンにしか見えなかったからだ。けれども、色々と資料を当たっているうちに、大局を語る人、ビジョンを語る人として、デンマークにとって非常に重要な役割を果たしていることに今更のように気付かされたのだ。

いや、そんなことよりも何よりも、もう少し正直に言うと、だいぶ昔に偶然マインドラボに飛び込んでインタビューした時に答えてくれた人が、当人だったことを過去の音声データで見つけ出し、その時の実直で真剣に社会に取り組んでいる良い印象がその時の感動とともに蘇ってきたからかもしれない。

巻頭の対談以外にも狩野さんの「行政におけるデザイン思考の推進に向けた人材育成に関する調査研究」は読み応えがあった。最近参加したフォーラムで、「デザイン人材の育成や教育が重要だね、でもどうしたらいいんだろうね」、と言う話をしたばかりだったので、こんなきちんとまとめられている調査報告書(行政におけるサービスデザイン推進に関する調査研究、行政におけるデザイン思考の推進に向けた人材育成に関する研究)があることに驚いた次第だ。早く実施につなげていこうよ?!最近騒がれている2000万円問題もそうだけれども、真摯に取り組んだ調査を受け取って実行に移すプロセスがないのかな。まだ研究報告書は拝読してないが、近いうちに読んでみたいと思う。

こちらも偶然狩野英司氏著だが、「基礎自治体におけるAI・RPA活用の可能性と課題」も非常に興味深かった。先日参加した人工知能学会でも感じたことだけれども、AIにどう対応したらいいのかわからない、どう使えるのかがわからない、そもそもよくわからない人が今の社会大多数だ。そんな中、社会・行政におけるAIを丁寧に解説していて、具体的に住民サービスへの活用などの道筋を示しているところが、たくさんの人が読んでくれたらいいのにと思う理由だ。

あー、面白かった。

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にやけちゃう。
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