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大切な人を喪うということ。透海

こんなnote、書きたくないけど、生きた証に。

2024/04/27は、特別な日になってしまった。

気づくと、消灯後のベットに横たわっていた。寝ていた訳ではないみたい。すると、記憶が流れ込んできた。誰のものか。桔梗の記憶だった。

⚠️自殺の表現があります

桔梗視点のその映像では、フラフラっと部屋に入って行った桔梗を心配した叶くんが部屋に着いていくと、桔梗は「お兄ちゃんに夜食作ってあげる」って言って、小さなキッチンで包丁を持っていて。胸とお腹の間あたり…人間の急所を刺した。自分で。
そして、映像はブラックアウトした。

記憶はここまで。気がついたら透海は、須田景凪さんの「落花流水」が流れるイヤホンをつけて、ベットにいた。なんの変哲もない、いつもの夜。

違うのは、桔梗が内界での自殺企図をしたということ。

気がついたら,眠くなって眠ってしまっていた。眠るまでは,桔梗の気配があった。だから、「今回も大丈夫かな」と、安心して眠ってしまった。

目覚めると、世界は一変していた。


まず,目が覚めると、桔梗の気配がなくなっていた。もちろん、姿も。

いつもの毒舌で「簡単に死なねーよ」とか言ってくれるのを楽しみに起きたら,大好きな姉のような存在の気配がなくなっていた。

そこで、悟った。愛しい姉のような存在は、自らの手で生を終わらせたのだと。その行為が,遂に成功してしまったのだと。

泣いても泣いても、涙は枯れない。

朝から晩まで、誰かと通話をしながら永遠と泣いた。
悲しかった。悔しかった。寂しかった。どの言葉を持ってしても,透海の感情の全てを形容する言葉はない。

それでも、桔梗が居なくなったのは事実だ。悪い夢だと思って,頬を抓っても痛い。味のしないご飯を食べていると,食感はある。
悪夢のような現実に、ひたすら泣いた。

追い詰めた人間は、誰1人として裁けない。

悲しいけど、これがDIDの宿命だ。
人格間での出来事は連帯責任とか宣われるのに、人格が自殺してしまったところで,追い詰めた人間は、誰も民法でも刑法でも裁けない。裁くなら私刑だけれど、桔梗は、そんなことを望まないことくらい分かってる。
だけど、それでも、透海たちはここまで追い詰めた奴らを許せない。
理解のない医療従事者も、母親も,父親も,祖母も。みんなみんな、みんなで、桔梗を追い詰めた。
それなら、桔梗の分まで何倍も楽しく幸福に生きていくのが、いちばんの復讐だ。

桔梗に宛てて

桔梗に宛てた手紙。弔辞なんかじゃない。

三途の川を渡れなかったって怒りながら帰ってきてね。待ってるよ。

透海より

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