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蹴球

オ~レ~~オレオレオレ~~♪♪♪

ほとんど観戦には行かないJリーグのチケット2枚が自分の手元にあり、高校時代の同級生グループに「誰か行く人いませんか~?」と聞いたところ、現在は事業家ではあるが、ガングロが流行っていた当時は夏になるとコパトーンを全身に塗りたくって上半身裸で部活をしていたサッカー部の部長だった奴が「娘と観戦してくるわ」ということで貰い手が見つかった。

ここ数年は、男子校なのにプレゼント交換会(上限3,000円ルール)がある新年会や食材のほとんどが肉類となるBBQなどのイベントが中止となり会う機会もなかったので、近所だしチケットを職場に取りに来てもらった。同級生というのはいくつになっても学生の頃と同じノリだ。が、ノリは一緒でもその頃と比べ歳も重ねりゃ健康についての話題になりますわ。
「まだサッカーしているの?」という話しの流れから「日曜日の朝6時~8時30分頃まで中学校の校庭を借りてやってるから来てよ」と誘われ、物は試しに参加した。

当日行ってみたらいろいろと驚かされた。
「こんな朝早くからどれくらい集まるんだよ」と思いながら現地に行くと、年齢層は30~40代がメインで20人位集まっていた。ウォーミングアップもそこそこにチーム分けをして紅白戦をするのだが、休憩時間は無し。厳密には休みたくなった人はコートの外に出て行って勝手に休めよスタイルで、また紅白戦に戻る。
プレー中もお互いが声を掛け合って、まぁ早朝から元気に楽しくプレーしているんですわ。

そんな中、「この人は上手だな~」と思う人は不思議とポジショニングが良いことに気が付いた。
味方なら助かるわ~ってとこにいて、敵なら邪魔なところにいる。
もちろんボールを止める&蹴るという基本技術がしっかりしているので
味方なら優しいパスを出してくれて、敵ならボールを取りに行こうとするといなされる。

サッカー部出身ではないがボールを蹴っている歴は長く、普段から運動はしているので走り回っていたのだが
「そこもっと寄せて!」「まだ詰めないよ!」「マークずれてるよ!」「もっと広がってやろう!」
など、誘いを受けた元ガングロ同級生からプレー中に何度も声を掛けられた。

正直、プレー中に言われたことが半分も理解できなかった。
ってことで、紅白戦が終わったあとに「あれはど~ゆ~ことだったの?」と聞いたところ、いろいろ再現しながら教えてくれた。懇切丁寧に教えてくれるもんだから、こちらもしつこく1つ1つのプレーについてと、疑問に思ったシチュエーションなど質問しまくった。
聞けば聞くほど、綿密かつ明確な答えがあるので思わず「そんなこと考えながらやってるの?」と口にしたが、と同時になんとなくの感覚だけでやっている自分に気が付いた。
ちなみに「高校時代からそんなこと考えてたの?」と聞いたら、「あの頃はほぼ勢いだけだよね。今は効率良くかつ効果的な動きを考えるようになって、今でも本やYouTubeで情報得てるよ」と言っていた。
たしかに今はちゃんとユニフォームを着ているしコパトーンも塗ってない。
考え方も歳を重ねて変わるもんだなと感じた。

兎にも角にも「あ~なるほどね」の納得感と次回チャレンジしてみようと課題が見つかり楽しみが増えた。

しっかりとした技術&体力があり明確なプレーのイメージが出来ているからこそ視野も広く判断も早い。それは自身もさることながら周囲の人も活かすことに繋がる。
この考え方は仕事にも通ずるところがある。

原理原則を理解していると正しい努力できる。
それは、無駄を省く学びの最大効果となる。

教えを乞う環境にいるのか?
教えてもらえる環境にいるか?
身近に親身になって教えてくれる人がいることに感謝しなければならない。

参加するごとにいろんな人と顔馴染みになっていくキッカケを作ってくれた元ガングロサッカーバカ同級生に
「チケット代はレクチャー代としておくわ」と伝えたら
「金額に見合うように頑張るわ」と粋な回答をくれた友に感謝である。

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