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愛を込めて

最近朝散歩をするようになった。
6時半から近くの河川敷からスタートして1時間くらい歩く。今の季節は暑くも寒くもなく、ちょうどいい気温が心地よくて溶けてしまいそう。

変化はもう一つある。


涙腺が壊れた。いや、壊されたと言ってもいい。
ちょっとしたことで涙があふれる。ダムの堤防が決壊したかの如く体内からドバドバと水分を放出してしまう。ちょっとしたことで心が過敏に反応してしまう。そうゆうオモチャみたいに。

今月5回は泣いたと思う。
1回目は旅行帰りの車の中で。
2回目は大阪に帰った自宅の中で。
3回目は早朝散歩の途中で朝焼けを見て。
4回目は手紙を読んでいる時に。
5回目は手紙を書いている時に。


全部あの子のせい(おかげ?)だ。



10月10日があの子の誕生日だった。
折角だし行きたいとこはないの?
と聞くと、

「直島の地中美術館に行きたいの」

そう言うので、早速″地中美術館″とやらをチェック。瀬戸内海に浮かぶ直島にある安藤忠雄さんが設計した地下にある美術館とのこと。自然の中になる中々にエモい施設である。ええ場所チョイスしますやん。

早速予約を。

「ご指定の日にちは空き時間がありません」

・・・・・。

最近の美術館って入場時間指定してくるのね。人気すぎて予約していた日は全て空きがなく。三連休の中日ってことと、予約が遅かったのも敗因でした。あの子に報告を。

「絶対に行きたいから、よければ翌日に行ってみない?私その日休みになったし」

そんなに行きたかったの?!
あなたと過ごせるならどこだっていいよ?みたいな甘い言葉を掛けてくれてもよくてよ笑?

あの子の猛烈な地中美術館行きたい熱に推されて、元々は1泊2日の予定を、2泊3日に延長して旅行に行った。(結果この変更がすごく良かった)

淡路島経由で香川→倉敷→直島と瀬戸内を中心にぐるっと回るツアーで、最終日に島をドライブしながら地中美術館を楽しむ内容になった。


地中美術館の入り口

最終日に訪れた直島はあいにくの雨模様だったけど、とにかく記憶に残る場所だった。

地中美術館は
ジェームズ・タレルの作品とか、
モネの睡蓮の部屋とか、
ウォルター・デ・マリアとか、
美術館そのものが独特な世界観でこの場所でしか感じられない不思議な空間だった。


あの日、あの時間、あの場所でたくさんのあの子の心と繋がれた。そんな気がする。

帰りの車の3時間半。
ここであの子と話せたことがなによりも大切な宝物になった。

「最近誕生日はずっとなんてことない平日ばかりだったからこんなに祝ってくれるなんて嬉しい」


「なおやさんの好きなものは何?なおやさんの好きなものの傾向とかこだわりを知りたいの」

「なおやさんには私が思っている″芯″とはまた違う場所に″芯″があるんだって気付けたの」

「最初はそんなに好きじゃなかった。でもなんとなく他の人とは違うって、手放しちゃいけない人なんだって思ってたの」


僕は自分の気持ちや意見を素直に伝えることができないと思っている。言いたいコトが言えない。気を遣っているの半分、気持ちを伝える怖さ半分。


理解なんてされなくていいし、されたいとも思わない。そんなことよりも相手を思うことに労力を割きたい。無償の愛を言葉と行動で示したい。

そんな風におもってたから。不意打ちすぎて。
びっくりしすぎて運転中に泣いてしまった。超号泣。



嬉しかった。
そして安堵した。

この人となら二人で協力し支え合えるって気づけたから。
あなたが落ちている時は僕が言葉と行動で、
僕が落ちている時はあなたの言葉と行動で、
あなたが何かチャレンジする時は僕が見守り、
僕が何かチャレンジする時はあなたに見守られる。
10年、20年、30年・・・・もっと先まで気持ちとこれからのことを共有していたい。

この感情は重いのかもしれないし、同じ気持ちは永遠には続かない。単なる恋心に似た情欲に蝕まれているだけなのかもしれない。

そうだとしても忘れたくはない。
今、この瞬間あの子に思い馳せるこの感情を。その時感じた感情を覚えておくために文章にする。


また新たな人生が始まった。
もう出会う前には戻れない。
いつもありがとう、ちーちゃん。
愛を込めて。

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