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【感想】海獣の子供【ネタバレ有】

フォロワーさんの記事で、気になっていた「海獣の子供」がGYAOで無料配信中と聞き早速鑑賞致しました。
9月17日まで観れるみたいなので是非観てから感想読んで頂きたいです。

あらすじ
これは、琉花が触れた 生命<いのち>の物語。
自分の気持ちを言葉にするのが苦手な中学生の琉花は、夏休み初日に部活でチームメイトと問題を起こしてしまう。母親と距離を置いていた彼女は、長い夏の間、学校でも家でも自らの居場所を失うことに。そんな琉花が、父が働いている水族館へと足を運び、両親との思い出の詰まった大水槽に佇んでいた時、目の前で魚たちと一緒に泳ぐ不思議な少年“海”とその兄“空”と出会う。

映像が綺麗でした。
アニメーション作品においてまずは映像で惹き付けるって大事だと思うんですが、独特のキャラデザインと色彩でまずワクワクさせてくれます。
私はもともと海の巨大生物にたまらなく興奮する質なので、映画館で観たらもっとゾクゾクしてたでしょうね。
綺麗な海、水族館、魚の映像から、元気に動き回る女の子。
なるほどこの子がヒロインの琉花ちゃんね。
彼女は学校でも家庭でもあまりうまくいっていない様子です。
自宅の玄関はビールの空き缶であふれかえっていて、玄関の塗装とかも剥げててとてもリアル。
本来は冴えない我々の日常が、綺麗なアニメーションで表現される事によって、こんなもの良いよねって思えてしまいます。

そして開始15分、琉花はお父さんの働く水族館で不思議な男の子、海くんに出会います。
海くんは水族館の巨大水槽を自由に泳ぎ回り、ガラス越しに琉花の名前を聞き出しては「琉花ーーーーっ!!」とはしゃぎます。
この男の子は一体なんなのだ。普通じゃない。きっと琉花にしか見えない亡霊なのでは?
米津玄師が歌ってる主題歌、「海の幽霊」ってタイトルだし!
とか勝手に想像していたらそこへ水族館で働いているお父さん登場。琉花と一緒に海くんの居る巨大水槽を見てこう言います。

「驚いただろう? 彼はね、海の中でジュゴンに育てられたんだ」

お……驚きました……。
それを聞いた琉花、一言「ジュゴン……」と呟いてシーンが切り替わります。
えっ……と……、それをそのくらいのテンションで受け入れる世界観だったんですね。
そしてリアルな仕事用の車の中で、彼はフィリピンの海でジュゴンの群れと一緒に居るところを保護されたと聞かされます。そう聞かされた事を、琉花は自室で思い出しているってシーンなんですがその自室もリアル。畳の部屋にカーペット半分敷いてその上に自作っぽいベッド。ベッドの下には収納ケースがみっちり詰まっててコンセントとかゴミとかも描き込まれている。めっちゃリアル。誰も憧れない女子高生のリアルな部屋。だがそれが良い。

ダメだ入って来ない!!!
こんな詳細な、リアルな日常を、リアルな人間関係を、15分も見せられた後に「ジュゴンに育てられました」は無理だろ!
ジュゴンて! まだゴリラとかなら分かるわ、陸の生き物だし。でもジュゴンて!
そんで研究の為に水族館で預かってるんだってさ。フィリピンで見つかった男の子を。田舎の水族館で預かってんだって。んで海くんは自由に動き回ってるの。琉花の学校に来ちゃったりするの。ジュゴンに育てられて研究対象のフィリピンの男の子。

なんか、私がファンタジーの理解出来ない大人になってしまったのでしょうか? いいや違うね。ファンタジーは理解出来る。そう言う世界だとまず分からせてくれる事が重要なんだって思う。
だってドラえもん観てちょっと矛盾があったってこんなのオカシイって言わないでしょ?
ドラえもんはまずのび太の学習机から出て来た。
耳のないネコ型ロボット。
一発で世界観理解出来るじゃないですか。

そんな馬鹿な……と思って私原作の1巻を無料で読めるとこまで読んだんです。
そしたら原作の方は冒頭で、水中カメラマンがフィリピンの海の中で二人の赤ん坊に出会った。赤ん坊は潜って消えた。海には魔物が居ると恐ろしくなったそのカメラマンは二度と海へは潜らなかった。ってエピソードが入ってました。これ、はしょっちゃいけなかったと思います。少なくとも私には必要でした。
それでも不十分だとは思いますがまだ心の準備が出来たかなと。

そしてモヤモヤしてる間になんか壮大な海と宇宙と、なんか生命? とか光でブワーって表現して、そんで何がどうなったのか分からないまま、学校も家庭もうまくいく兆しが見えて終わりました。
凄かったです。
 
※追記
旦那にこんな映画観たよーって、ジュゴンに育てられたのくだり話したら「あー、海獣ってその海獣か」って言われてハッとした。タイトルで思いっきり世界観の説明ある!!

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