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【詩】脳科学者の詩

簡単な概念ほど、簡単に否定したくなってしまう。
ずっとずっと馬鹿みたいに笑ってるきみより、わたしのほうがえらいよ、って、いつか叫ぶのが、机から発せられた魔力にいつも縛り付けられてるわたしの夢。
だってわたし、すごーくすごーく深く考えて、きみよりもはるかに難しいことを考えて、それで、ずっと、みんなみんな死ねって思ってるから、世界の重力すべてが集約された教室を、パズルみたいに、わたしの頭のなかで、ぜんぶがわたしの頭のなかで完結しているみたいに、組み替える。
錆びた鎖みたいな数式をいくつも纏って、大人になったら、科学者になるんだ。
みんなわたしの苦しみと同じ苦しみを味わえるように。それで、いつか、きみを好きになりたいんだよ。

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