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映画の感想 「ケイコ目を澄ませて」を見て

 

映画「ケイコ目を澄ませて」を見ました。この映画について、簡単に説明した後、私の感想を述べてみます。

1 監督・出演者など


 監督や出演者などは次の通りです。
 監督:三宅唱  脚本:三宅唱・酒井雅秋
 出演:岸井ゆきの 三浦友和 三浦誠己 
    松浦慎一郎 佐藤緋美 中島ひろ子
    仙道敦子
 原作:小笠原恵子『負けないで』(創出版)

 ※上記はHP 日本映画専門チャンネルから抜粋し引用しました。
  https://www.nihon-eiga.com/program/detail/nh00019721.html

2 感想


2.1 クライマックスは?   

                      
 映画の愛好家である人は、「ボクシングの映画」と言えば、どんな映画を思い出すでしょうか。私は真っ先に「ロッキー」、「ミリオンダラー・ベイビー」、「チャンプ」、「レイジング・ブル」などを思い出します。それらの映画はハッピー・エンドであったり、また悲劇の結末であったりしますが、共通するのは「わくわく・どきどき・はらはら」の連続であり、そして映画の場面にはかならず感動的なクライマックスがあります。

 そんな映画を想像しながらこの映画を観ると、正直言って物足りない気持ちがします。この映画は生まれつき耳の聞こえない聴覚障害を持ったケイコが、ボクシングの選手になって次の試合のために日々練習する姿や、ケイコを取り巻く人々が描かれています。この映画には感動的なクライマックスの場面はありません。しかし、この映画を観終わった後、主人公のケイコの生き方にどこか共感して、「頑張って」と応援したくなります。

2.2 映画の特徴


 また、この映画には場面を盛り上げるような音楽は使われていません。音と言えば、サドルを打ち付けたり、縄跳びをしたり、パンチの練習をするグローブの音などです。ケイコが障害を持つことでなにかと不便な生活をすることを除けば、ボクサーとしては、まさにありふれた日常を描いています。

2.3 映画のテーマは?


 それでは、上記のように場面を描きながら、この映画を通じて監督は私達に何を伝えたかったのでしょうか。ありふれた表現になりますが、一人の女性がボクシングを通じて精神的に成長していく姿を描きたかったのだろうと思います。
 なんとか判定勝ちしたある試合の後、ケイコはボクシングを続けるべきかどうか思い悩みます。そして、一旦は「「しばらくジムを休みたい」とジムの会長に手紙を書いたものの、それを渡せないのです。そんな中、ジムの会長はケイコに「戦う気持ちがなくなったら、試合はできない。それは危険だし、相手にも失礼だ」と述べ、ボクシングをするための大切な心構えを教えます。
 最後の試合ではノックアウト負けしてしまいます。しかし、それでもケイコはどこか気持ちがふっ切れたように、ボクシングを続けるため川の土手でランニングを始めます。さらに、本業であるホテルのベッドメイキングの仕事でも、同僚の接し方にどこか優しさがにじみ出てきます。ケイコはボクシングを通じて、人間として成長したのだと思います。

3.私が感じた映画のメッセージ


 日々何かに懸命に取り組みながら生きていると、たとえ失敗しても、そのことから何を学ぶのかという姿勢を持つことで、精神的に成長するんだというメッセージを、私はこの映画から受け取りました。

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