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写真で抜かれるのは魂だけではない。

自身の写真を撮らないとならない仕事があった。
昔から写真写り悪いねと言われる事が多く、自分でも感じていたので憂鬱だった。

同僚にお願いしカメラを向けてもらう。
意識しない様にしているが
「むつみさん!意識しすぎ!笑」と指摘される。
昔、父が言ってたな…「写真は魂が抜かれる」
今カメラを向けられている私は自尊心を抜かれている気持ちだ。

なんとかパターンを考え指定された枚数を撮り終えた。
奇跡の一枚を望んで連写してもらったが、残念ながら奇跡は起きなかった。あぁ神様。

撮り終えた写真を確認し、誰も気付かない程度に加工した。
これで抜かれた自尊心を取り戻せたぞ。
決してズルではない。自分自身の為である。誰の為でもない。他者から見た自分を直視出来ないのでこれぐらい許してくれ。

鏡の前に立つ。
なんだ、写真より実物のがいいじゃん、いいじゃない!
写真なんて本当の自分を写しだせない。
写真の中の私は自分じゃないからね!そう言い聞かせ連写した250枚程の写真のデータを削除した。





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