東京の標準木が開花宣言になったというので靖国神社に桜を見に行った。靖国神社の最寄りの九段下駅に着いたら、もうすでに混雑している。九段下駅は武道館でコンサートがあるとき、卒業式や入学式があるとき、混雑する。なんにせよ集まってくる人たちが楽しそうなのがとてもいい。そして、この桜の季節。夜もライトアップするので、夜桜を見に来る人もたくさんいて、とにかく、朝から晩まで、一日中混雑するのだ。そのあたりの飲食店も混雑する。お花見に行くなら飲まず食わずで過ごす覚悟が必要だ。最近は、外国の方も桜を楽しんでいて、日本人として誇らしい気持ちになる。
 靖国神社の招魂斎庭で呪詛がかけられているという情報を聞いたので、行ってみる。駐車場の奥の狭い場所だ。普通気が付かない。近くに行ってみると貼られている結界が前回と術式が全然違う。どういうふうに結界が貼られているか複雑で分からない。でも今回は沢山の人が、同じ情報を聞いて動いている気がする。一人で全部やろうとするより、それぞれが出来ることを出来る範囲でやるのがいい。広範囲に術が掛けられている。こんなに、のどかな花見の風景と、同時に、物凄い呪術回戦が行われている。
 少し前に行った尾鷲神社でもらった麻紐を使いまくる。その時は、予定になかった尾鷲神社に急に行くことになり、行ってみるとヤマトタケルが祀られていた。尾鷲神社を拠点にして反乱軍と戦っていたとのこと。まさにその力が必要だ。靖国神社がまた狙われていることを聞いたあとに行った尾鷲神社だったので、靖国神社での呪術回戦でも私たちを護って下さるように祈った。
 手を変え品を変え、諦めずにやってくるのだろう。こちらも諦めずにクリアリングし続けていきたい。
 遊就館に寄る。おじさんの写真を探すけど無い。展示が随分変わっている。遺族が奉納した人だけ写真を飾るようになったとのこと。
 帰りに売店に寄ると、バニラのソフトクリームと、さくらのソフトクリームが売っている。バニラは300円、さくらは400円。ピンク色がついただけで100円違うのに引っかかってはならないと自分に言い聞かせたが、そこに並んでいる人が全員さくらソフトクリームを買ったので、つられて,さくらのソフトクリームを買ってしまった。食べてみたが、味はバニラだった。他の人も、そういう顔をしながら食べていた。でも限定には弱いんだよなあ。

 翌日は埼玉県行田市にあるさきたま古墳群にお花見に誘われた。お花見渋滞で駐車場に入るのにも並ぶ。古墳がまとまって残っていて、そこに桜と菜の花が咲いていて、沢山の人が思い思いに楽しむ。せっかくなのでガイドさんをお願いすると、一番端にある浅間神社に連れていってくれた。古墳の上に神社があるのだ。浅間神社なので例によってコノハナサクヤヒメ様が祀られている。ご本人に聞くと、もちろん違いますとのこと。多分、この辺りの古墳を守っている神社であり神様なのだろう。あまりに無名なのでコノハナサクヤヒメ様を祀ってあることにしているのだろう。とっても静かで穏やかな佇まいの神社だった。
 なんで古墳なんか行くの?楽しいの?と聞かれることがままある。姫神様の説明によると、こういうことらしい。私と私を産んだ両親との関係で、人数が2倍。私と祖父母の関係では人数は4倍と、遡れば遡るほど人数は増える。皆、辿れば、ナポレオンに行きつくという話を聞いたことがあるのは本当かどうか知らないが、縄文時代まで遡れば、皆、同じ人にたどり着くだろう。つまり、この古墳に埋葬された人と私は関係がある可能性が高いということだ。そんなこと言ったら、きりがないとも言われるが、そうではない。古墳時代の人からのDNAを自分が持っていると考えたら、この古墳時代の人が、その時代、一生懸命生きてくれて、子孫を残してくれて、そのお陰で、今の自分が居るとしたら、手を合わせるくらいはいいのではないだろうか。名も知らない祖先を敬うことは、結局、自分自身を愛することではないだろうか。
 古墳ガイドの人の説明によると、3種類のお墓があるそうだ。埋め墓、骨墓、参り墓の3つだ。その時代、火葬は「うちは火葬しました」と書き残すくらい珍しいことだったので、普通はそのまま埋める。しばらくしてから掘り出して洗って骨を埋める。そして、子孫は近所の参り墓に手を合わせる。という時期があったらしい。
 また、石室は基本的には南北に作られている。しかし、中には、違う方角を向いているものもある。これは今後調査しなくてはならないらしい。
 また、戦争があったとき、世界の常識としては、負けた方の墓は徹底的に壊される。そして負けた一族は皆殺しにあう。しかし日本はわりと穏やかで、そこまでのことはせず、後継ぎを寺の僧にして世継ぎを作らず、家を断絶させるという方法をとってきたらしい。残念ながら、書いてある記録では勝ったほうに都合のいいことしか書いてないので、状況証拠から真実を見つけていくしかない。
 ガイドさんが、日本はそのうち佐藤さんだらけになるというニュースを踏まえて、日本は女性が嫁に行って、違うそれぞれの家の文化を融合したから、平和だったんですよ、だから、皆、佐藤さんになってもいいんです、平和なのが一番なんです、と説明してくれた。たくさんの女性が両家をすり合わせ続けてくれたおかげで平和があるということだ。感謝しかない。姫神様たちも、それを聞いて喜んで、沢山、桜の花びらを散らしてくれた。それぞれの姫神様たちも、沢山沢山、苦労されてきたんだろうなと思った。


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