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#1 波瀾万丈…西日本緊急周遊記

最初はただの出張取材のはずだった…。 一体なぜこんなことになってしまったのだろう?パンパンに膨れて閉まらないリュックのファスナーを無理やり引っ張りながら私はため息をついた。なぜって?私は今、見知らぬ土地で警察に職務質問を受けているのだ。 プロローグ私は東京に住む大学1年生で、映像制作を趣味として活動している。特に好きなジャンルはドキュメンタリー。今回、高校時代から付き合いのあったとある著名人の方を題材に選び、新作のドキュメンタリー映画を撮ることにしていた。プライバシーなど

    • #10 波瀾万丈…西日本緊急周遊記

      #9 のつづき ごめんね、鳥取。(Day4 夜) 鳥取県に行くのは初めてだ。 18時頃、鳥取駅前に着いた。バスの車中では、久々に音楽を聴いたり、眠ったりと適度に贅沢な時間を過ごした。 途中、スタバが見えた。 鳥取県は、「最後までスタバがなかった都道府県」として知られており、一号店が開店した2015年5月23日は、開店前から約1000人が店頭に並んで、街中が上を下への大騒ぎとなったらしい。開店から6年以上経ったこの日も、雪がチラついていたにも関わらず、駐車場にいた警備員は

      • #9 波瀾万丈…西日本緊急周遊記

        #8 のつづき 大阪独り周遊とインドネシア人女子大生との出会い(Day4 朝~昼) 大阪・西成の激安ホテルに2泊滞在した私は、15時10分発の鳥取行きのバスが出るまで大阪を観光することにした。思えば、この旅に出てからろくに観光名所を訪れていない。せっかく大阪に来たのだからそれっぽいところに行ったほうが良いだろうと思った私は、まず新世界と通天閣を見に行くことにした。 お金がないので、当然、移動手段は徒歩だ。 通天閣のある大阪南の下町の一帯は「新世界」と呼ばれていて、ヤク

        • #8 波瀾万丈…西日本緊急周遊記

          #7 のつづき 20時間ぶりの食事(Day3 夜) 大阪・西成の激安ホテルで4日ぶりの布団にありつき、すぐに深い眠りへと落ちた私は背中と腰の痛みで目が覚めた。 (今何時だろう?) スマホの電源ボタンを押すと、ホーム画面とともに時刻が表示された。 17:50 (しまった!寝すぎた!) 道理で背中と腰が痛いわけだ。部屋の小さな窓を開けてみたが、見えたのは隣のビルの外壁だけで、空の明るさはわからなかった。 今日は大阪に勤めている仲の良い記者さんと会う予定(取材が頓挫し連絡した

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        #1 波瀾万丈…西日本緊急周遊記

          #7 波瀾万丈…西日本緊急周遊記

          #6 のつづき ご無沙汰しております。 最近バタバタしており、更新が止まってしまっていました。 あの突然始まった貧乏一人旅からもうすぐで3カ月経とうとしていて記憶があやふやになってしまったかもと心配しましたが、よほど刺激的だったからか意外と覚えていました。 今回から大阪編が始まります。よろしくお願いいたします。 \\筆者プロフィール// 男子大学生。映像制作やドキュメンタリー取材を行っている。2022年の春休み、取材をするはずが、いろいろあって1週間ほどの「西日本無計

          #7 波瀾万丈…西日本緊急周遊記

          #6 波瀾万丈…西日本緊急周遊記

          #5 のつづき 「パクリ天国」名古屋(Day2 / 昼) 春日井駅から列車に乗った私は鶴舞駅で地下鉄鶴舞線に乗り換えた。水色の車体でちょっと東京メトロの東西線に似ている。車体だけではない、車内の案内も東西線そっくりなのである。まあ、でも名古屋と東京で色被りくらいあるよなあ、そんな風に思っていた。 次の瞬間、私は自分のいる街を間違えたかと思った。あろうことか、ホームの壁に貼ってある駅名が「伏見」なのである。伏見と言えば、伏見稲荷大社などでも知られる京都が有名。ここは名古屋

          #6 波瀾万丈…西日本緊急周遊記

          #5 波瀾万丈…西日本緊急周遊記

          #4 のつづき 貧乏人の朝は早い(Day2 / 朝) 怒涛の2月23日を終えた私は春日井のネットカフェにいた。 起きたのは大体早朝5時50分頃。そっから二度寝して6時5分くらいだっただろうか? なぜそんなに早起きかと言うと、ネットカフェの料金体系は長くいればいるほど料金が高くなるというシステムを採用しているため、一刻も早く起きて「チェックアウト」しなければどんどんお金を取られてしまうからである。 しかし、このネットカフェは6時から無料のモーニングを提供しているため、ギリギ

          #5 波瀾万丈…西日本緊急周遊記

          #4 波瀾万丈…西日本緊急周遊記

          (#3 のつづき) 得意競技は徒歩です(Day1 / 朝~昼) 警察に思わぬ形で起こされた私は、野菜ジュースを片手に北を目指して歩いていた。この日の空は前日の雪が嘘のような晴模様で、おまけに「徒歩」は運動全般を苦手とする私の唯一自信が持てる種目であったため、長距離の歩行は全く苦ではなかった。前述したとおり、明日、取材対象者の両親への挨拶と彼らの経営するお店でお土産の購入をするためそんなに遠くへ行くことはできない。いろいろと考えた末、7キロほど離れたJRの駅まで歩き、その後

          #4 波瀾万丈…西日本緊急周遊記

          #3 波瀾万丈…西日本緊急周遊記

          (#2 の続き) あわや「おはよう逮捕」(Day1 / 未明~朝) 一旦関西に留まることを決めた私は突如として便意に襲われた。洗濯物を洗濯機に放置したまま、私は念のため荷物一式を持ち、隣のコンビニに駆け込むと、急いでトイレに入った。トイレに入った後のことは汚いので書かないが、深夜で客もいなかったので長時間便座の上で時間を潰した。その後、あまりの寒さに耐えかねてカップ味噌汁(103円)を購入、お湯を入れてコインランドリーに持ち帰り、少しずつ口に入れた。まるで温泉に入った時の

          #3 波瀾万丈…西日本緊急周遊記

          #2 波瀾万丈…西日本緊急周遊記

          (#1 のつづき) 脳内議会紛糾(Day1 / 2月23日未明) 愛知県某所で取材を行っていた私は、取材対象者とのトラブルにより、深夜1時の見知らぬ土地へと放り出されてしまったのだった。 困ったな…今晩どこで夜を明かそうか… #1で書いたように、この日の朝は粉雪がちらつくほど冷え込んでおり、一刻も早く屋内へ入らないと寒さで凍えてしまうばかりか、スマホのバッテリーも落ちてしまいそうだった。 とりあえず、優しいお兄さんが別れ際に言ってくれた「今夜はネットカフェかどっかで

          #2 波瀾万丈…西日本緊急周遊記