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みっきーのリアル登山者の端書き#658『ペグ打ちシェアリング』

テントを張るとき、風て飛ばされないようにペグという杭の一種でテントを固定することがあります。
登山のときでは特に山風にさらされることがあるので、ペグ打ちは必須です。

以前ペグ打ちをせずに置いてあったテントが強風にあおられ、中に入っていた荷物ごと谷底に落ちていったという話を聞きました。
その登山者さんの絶望たるやとんでもなかったと思います。

キャンプ用テントだと専用のハンマーでペグ打ちをすることがあるようです。
ですが運べる荷物が限られる登山用テントでは、ペグを打つためだけに重いハンマーを持参することはまずないです。

何でペグを打つかというと、その辺りにある石を活用します。
テント場はテントが張りやすいよう、地面はある程度平らにしてありますが、その端々には大抵石が転がっていて、登山者はそれを使ってペグを叩いて打ち込みます。

ところがたまにちょうどいい石が近くにない時もあり、そうしたときは他の方がペグ打ちで使っている石を次に譲ってもらうこともよくあります。

登山者として何気なく行なっていたこの行動ですが、これは現在でも取り上げられるシェアリングエコノミーのひとつのように思われました。

特にこの場合、人から人へのシェアだけでなく、山からも石をシェアしているので、山→人→人のシェアリングとも表現できそうです。
最終的に石はまた山に還されるので、循環が成立していますね。

資本主義へのひとつの投げかけとして生まれたシェアリングエコノミーですが、より発展させると人と人との営みだけでなく、人と自然との営みとしても活用できそうですね。

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